1050 今の倉津君が持つ眞子のイメージ

 眞子が異性に比較的好かれる理由を、崇秀と細川君に聞く倉津君。

そして異性に好かれる理由は納得出来たのだが、では、何故、同性にまで好まれるのか?


***


「まぁ、そうだな。けどよぉ。同性に好かれるのはなんでだ?」

「それについては2点だ」

「ほぉ、して、それはなんぞな?」

「1つ目はな。眞子が『純粋』な所だ」

「はい?同姓相手にか?そんなもんが通じるのか?」

「そりゃあ通じるさ。大体、女って生き物はな。男より、脳内で上手く打算が働く様になってるんだよ。そんな中で、自分が『可愛いなぁ』って思う相手は庇護したくなる習性がある。此処が『純粋』が有用たる所以だ」

「同姓が同性を庇護なぁ。……漫画じゃあるまいし、本当に、そんなもんがあるのか?」


それ、なんか違わねぇか?

って言うか、可愛い女には、普通、嫌なぐらい嫉妬するのが女って生き物の性なんじゃねぇのか?


寧ろ、そんな奴が居たら、必要以上に意地の悪い事とかしたりすんじゃねぇの?



「解り難いか?……なら、こう言う表現はどうだ。『敵に廻したくない』ってのでどうだ?」

「へっ?」

「なんせ『嫉妬』するにしても『勝てる』『勝てない』ってレベルの差ってもんがあるからな。そこを、もし女子達が弁えてるとしたら、これをオマエならどう捉える?」

「あぁ、それなら、なんとなく解らなくもねぇな」

「だろ。……っで、その上でだ。眞子は性格が悪くないし、結構な人脈を持ってる。だから知り合いが多く。アイツと一緒に居れば、異性と知り合える可能性が飛躍的に高くなる。……まぁ勿論、その中心に居るのは眞子には変わらないんだが、それでも眞子の有用性は変わらない。なら女子達が、眞子を嫌う理由なんて物が何所にあるって言うんだ?って話だ」


ヤナ話だな。

でもまぁ、わかんねぇ話でもないよな。

以前、眞子の家に居た小さい子も、そんな事を言ってたしな。


実際、俺が見て来た範囲でさえ、女ってのは、基本的に受け身な部分が多いから。

自分から『告白する』より、相手から『告白されたい』なんて願望が少なからずある筈。


そんな中で、男女問わず知り合いが多い眞子みたいな奴が居れば。

野郎の、なにかの気紛れを起こして、眞子ではなく、自分に告白される可能性が高くなる。


その上で眞子は、崇秀の事を好きだと言う事を明言しており。

限定的ではあるが、彼女でもある事をすらも明言している訳だから、女子達にとっちゃあ、これ程、カッコウな餌は存在しないって訳か。


なるほどなぁ。

確かにこれだと、眞子を味方に引き入れて置いてなにも損は無いって事かぁ……


見事なまでに打算が成立してやがるな。



「ほぉ、そこまで行くと、言い得て妙だな」

「だろ。けど、そこで終わらないからこそ、眞子は更に人を惹き付ける」

「それが2点目って奴か?」

「そういうこった」

「……っで、そりゃあ、なんなんだよ」


たった一年しか生きてないのに、なんか怖ぇなアイツ。

これだけでももぉ十分な位スゲェのに、まだなんか隠し技まで持ってやがるのか?



「2点目はな。恋愛に於ける的確なアドバイスが出来る事だ」

「うん?ちょっと待て、ちょっと待て、生まれて1年の奴がか?オマエしか好きになった事が無いアイツがか?」

「バカタレ。生まれて1年なのは、体を得てからの話だろ。それ以前には、オマエの男の思考を色々解析出来てるんじゃねぇのか?」

「あぁ、そうか」

「その上で、オマエが体験してきた向井さんとの恋愛や、オマエが乗ってきた恋愛相談なんかの経験がある。……アイツはなぁ、それ等を全部網羅してるから『男性視点』『女性視点』の両方でモノを見る事が出来るんだよ。そんな有用な人間を手元に置かない奴が居るか?」


うぉ!!それって、恋愛に関してはパーフェクトって意味じゃん!!


マジでスゲェんだなアイツ。

だからこそ、こうやって崇秀や、モジャですらも簡単に篭絡出来たんだな。



「まぁ、それ以前にな。アイツは体を持たなかった時期が長かったから『他人と、より多く接したい』って気持ちが強い。そのせいかして、人に対して、色々『親切』に出来る。根本からして、嫌われる理由がねぇんだよ」


最後は人間性ですか。


オィちゃんにも、それをくれ。


プリーズ!!


プリーズ!!



「そっか、なるほどなぁ。……けどよぉ。オマエは生まれた時から頭がおかしいから良いとしてもよぉ。なんでモジャまで、アイツの事を好きになるんだよ?眞子の概要を知ってるアンタなら、中々行き難いと思うんだがな」


ドサクサ紛れに『モジャ』って言ってやった。


これで1回でも返事したら、オマエを、コレ以降ズッとモジャと呼ぶからな。



「あぁ?あぁ、なんだ、俺の事を言ってるのかい?」

「此処にモジャなのは、アンタしか居ねぇじゃん」

「まぁ、そうさなぁ」


自覚しろ。


この悪魔の腹心モジャ公め。



「……っで、なんでアンタまで、眞子に行こうとしたんだ?」

「女を好きになるのに理由なんて無いさな。良い女が居れば、男は反応する。ただそれだけの事さな」

「俺の細胞が含まれててもか?」

「あぁ、関係ないな。眞子助と、アンタは別物だ。それが例え同じ細胞であろうと、なんだろうと、眞子助は女で、アンタは男。この最大にして重要な違いさえ有れば、問題ないって事さな」

「オイオイ、そんなに簡単に割り切れるもんなのか?」


微妙じゃね?


そりゃあよぉ。

全く知らない奴からしたら、眞子は、さぞかし良い女だとしか認識しねぇだろうがよぉ。

ある意味、俺と眞子の関係を知ってたら中々行き難くないか?


俺は、そう思うんだがな。



「よく言うぜ。アンタだって、眞子助が自分の姉弟じゃなきゃ、俺と同じ思考に成ってると思わないかい?例えば、眞子助が、俺や、仲居間の細胞から出来てたとしても、自分の女にしたいと思わないかい?……あぁ因みにだがな。奈緒の大御所が居ない事を前提にして考えてみな」


う~~~~ん。

それでも、ヤッパ微妙だなぁ。


だってよぉ、俺自身、眞子をそう言う目で見た事がねぇもんよ。


最初は『嫌な奴のイメージ』で入って、その後、直ぐに、クローンと言う衝撃の事実だっただろ。

だから、そう言う思考に成った事がねぇんだよな。



「あぁ……微妙」

「一葉。そんな遠回しな説明じゃ、この馬鹿には埒が開かねぇよ。馬鹿に説明するなら、もっとシンプルに行かねぇとな」


オマエねぇ……



「ほぉ。例えば、それはどんな感じさな」

「馬鹿には、この一言に尽きるんだよ」


うあっ!!なんだ。


……此処に来て非常に嫌な予感が。



「オイ、倉津」

「なっ、なんだよ?」

「オマエ、眞子に欲情するか?アイツでオナニーしようと、密かに企んだ事はねぇか?」

「ブッ!!」


基本的に言えば、そう言う目で見た事はねぇんだが、有るか無いかで言えば……有りますね。

先程の階段での一件にしても、スカートの裾から見えた『パンチラ』は鮮明に焼き付いてますし、密かにそれを今晩の夜のオカズにとも考えておりましたなぁ。


……って事はだな。

無意識の内に俺は、アイツを1人の女としてる部分があったって事か!!


けど、それを告白するのは、流石に最低過ぎるので……許してくれ。


姉弟で抜くこうとしたのがバレるほど、無様な醜態はないからな。



「……ってな反応を見れば、一目瞭然。誰にでも解るって話だ」

「なるほど。そりゃあ、なんとも解り易い話さな」

「オイオイちょっと待て、勝手に決めんな!!」


そりゃあ、なんも間違っちゃあイネェけどよぉ。

オマエは、そう言う余計な事をするんじゃねぇよ!!


『ガチャ』



「うん?なになに?なにをそんなに騒いでるの?」


ブッ!!



「なんも。倉津の馬鹿が、なんか1人で騒いでるだけだ」

「そう言う事さな」


……まぁなぁ。

確かに、この場で騒いでるのは俺1人だよ。


だからって、そりゃあねぇんじゃねぇの?


またそうやってコイツ等は、俺1人だけを悪者にするだろ。

ホント、キッタネェ野郎共だよ!!


俺がそう思っている内に眞子が、ホットコーヒーとシュークリームをみんなに配って行ってくれるんだが。


……アカンね。

さっきの話で眞子を変に意識しちまったのかして、眞子が見れねぇでやんの。


なんともまぁ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


倉津君、コソッと眞子で抜いてやがりましたね(笑)


……っで、本人誤魔化す為に『今まで眞子を意識した事が無い』みたいな事を言ってますが。

翌々考えると、それ自身は嘘。

何故なら昏睡から明けに日本に帰って来て、次の日には眞子の秘密を打ち明かされてる状態で抜いた』ているので、明らかに嘘に成っちゃうんですよね。


皆さんは、此処にお気付きに成ったでしょうか?


さてさて、そんな中。

また崇秀が余計な事を言ったが為に、変に眞子を意識してしまった倉津君。

この後、なにも無ければ良いんですが……


次回は、その光景を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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