1049 なんでオマエ等まで、敢えて眞子なんだ?

 細川君がお土産で持って来たシュークリームを持って、台所に行った眞子。

その間に『なんで崇秀が、眞子に此処まで興味を持ってるのか?』が気に成った倉津君は、そこを聞いてみる事に。


***


「そうか。……けどよぉ崇秀。なんで敢えて眞子なんだ?オマエなら、他にも良い女なら幾らでも居るだろうに」

「んなもん関係ねぇよ。つぅか、これは、オマエが向井さんの事を好きなのと同じだ。恋愛に無駄な理由なんかはイラネェ。……まぁ、それ以前にだ。アイツには、それだけの価値が俺にとっては有るってだけの話。ただそれだけの事だよ。だろ一葉」

「そら言えたな。俺もな。眞子助の事情は、よく知ってるが、そんなもんは関係ないさな。仲居間が行かなかったら、俺が行ってる所だろうからな」


なんともまぁ、悪魔や魔王の類に大人気だなアイツ。

いやまぁ、それ以前に、男女に関わらず、アイツを好む奴も多いしなぁ。


なら、その人気の秘密はなんなんだ?


まぁ此処に関しては、以前にも、眞子と一緒に住んでる背の小さい子が色々と説明して貰ったんだが。

この機会に、コイツ等悪魔コンビの見解が、どう言う物かも知って置きたいしな。



「そうなのか?なんかスゲェなアイツ」

「そりゃあそうさな。眞子助が凄いのは当然の事さな」

「なんでだよ?……あぁ、いやまぁ、そりゃあよぉ、眞子は可愛いし、頭も良い。それに運動神経も良いと来てるから、そう言う気持ちになるのは解らなくもねぇんだが。なんで、そこまでオマエ等が入れ込むんだ?」


取り敢えず、そんな一般論をぶつけてみた。

それにまぁ、男ならマジでそう言う認識に成ってもおかしくはないしな。


けど、モジャから返って来た答えは……



「アンタだよ。アンタと言う存在のお陰で、眞子助は誰にでもモテるのさな」


……っと言う様な回答だった。


にしても……はい?

なんでアイツがモテてるのが、俺と関係ある訳?


こう言っちゃあなんだが、アイツがモテるのに、俺の存在なんて全く関係なくね?



「なんで、そうなんだよ?」

「まぁ、そうさな。簡単に言っちまえば。アンタの中で過ごした14年間が、眞子助を普通の女じゃなく感じさせてる。って、単純な理屈なだけなんだがな。……これで解るかい?」

「それって、体が無かったからって話か?」

「そうさなぁ。まぁその意見も、さもありなんな話ではあるんだがな。ただ、それだけじゃあ、答えとしては少々物足りなさを感じるな」


??


じゃあ、俺にはわかんね。



「どう言うこったよ?」

「そうか。これじゃあ、わかんねぇか。だとしたら、どうにも俺は、人に説明するのが、あまり上手くないらしいな。仲居間、説明は、オマエの得意分野だろ。交代ヨロ」

「あいよ。馬鹿に対する説明なら任しておけ」


此処で選手交代のお知らせします。


聞き手がアホなので、話を理解出来無い為の交代です。


繰り返します。

選手交代の……


……悲しい扱いじゃのぉ。



「う~~んっとな。俺が求めた意見だから、オマエ等の説明は、ちゃんと聞いてやろう。……だがな、その前に誰が馬鹿じゃ!!」

「オイオイ、此処にオマエ以外の馬鹿がどこに居るって言うんだよ?オマエ以上の馬鹿を探すのは、世界中を放浪しなきゃならねぇぐらい大変だから。この時点で、此処に居る馬鹿はオマエで決定だ」

「オマエだきゃあ……マジでシバイたろか」


馬鹿キングで~~す。

頭が悪いので中々物事を理解しませんが、今後とも宜しく。


反論したのに、なんか更に……悲しい立場になってしもうたのぉ。



「まぁまぁ、事実だ事実だ。そこは諦めろ」

「腹立つわぁ、この子」

「そうか……なら、その立った腹とやらを斜めにでもしたら、どうだ?そうすりゃあ、少しぐらいならマッシになるってもんだろ。ほれ、やってみろよ」

「なるほど、そりゃあ名案だな。ヨッコイショっと……ってアホかぁ!!ツマンネェ事させてねぇで。さっさと説明しやがれ、このボンクラ!!」

「あぁ……これはまたオチが、面白味の欠片もない酷いボケで終わったな。まぁこの辺が、ボケもツッコミも潮時みたいだから。んじゃま、面倒臭ぇが説明に移るとすっか」


うん、そう思うならな。

余計な事を言わずに最初からそうしろつぅの、このボンクラのアホンダラァがぁ!!


こちとらそのせいで、豪快にネタを外して、要らん精神的なダメージまで食らったわ!!

(↑やらなきゃ良いだけと言う事に気づいてない俺)



「……っで、結局なんなんだよ?その眞子の特殊な魅力ってのは?」

「そうだなぁ。……まぁ言うなればだ。眞子は、オマエと過ごした14年間で、男の思考が色々解るんだよ。だから、他の女とは一線を博してるって事だ。……以上」


うん?



「なんのこっちゃ?」

「頭痛ぇ……」

「なんでだよ?例えアイツに俺と過ごした14年間があるとしてもだな。眞子の思考は、何所まで行っても女の思考でしかないだろうに」

「それは、体が無くて、自由が利かない状態でもか?」

「へっ?」

「そうやって女の思考があるにも拘らず、男の行動をとり続けられててもか?」

「あっ……」

「それでも眞子は、男の行動パターンや、思考が読めてないと思うか?」

「おぉそうか、そうか、そう言う流れな。……だったら、かも知れねぇな」


確かにそうだな。


此処をシンプルに考えれば。

そうやって常に男の思考を強制的に肌で感じさせられてるんだったら、女性として男を理解するには、これ以上のサンプルはないわな。

それに、そんな風に罷り也にも男性思考を持ってりゃ。

一般女子に比べても一線を博す事にも成るだろうし、男性としては、これ以上付き合う意味でも楽な事はない。

実際、女性が感じる「男性の不可思議な行動原理すら理解してる」って話になるから、余計な揉め事をしないで済む訳だしな。


そう考えたら、眞子が、コイツ等悪魔コンビのみならず、他の男性共にもモテるのも頷けるってもんだな。


ただまぁ……1つだけ気に成る事があるとしたら。

その対称に成ってるのが男性心理が【俺なだけ】に、その知識はかなり限定的では有るんだが。

それでも女性として生きて行く上で、多少の有用性は有るかも知れねぇわな。


なので、眞子がモテる理由に関しては納得。



「だろ。その上でだ。アイツは、オマエの思考パターンから、男の持つ『理想の女性像』ってもんを知ってる。だから、その男性の理想を自身の中で上手く昇華させる事によって、異性からは嫌われ難くする術を同時に所持しているんだよ。それこそが、アイツが男に好かれる理由だな」

「うん?じゃあなにか?あの眞子の態度には演技も含まれてるって事か?」

「いや、普通の女ならそうかもしれないが、アイツの場合はそうじゃねぇよ」

「なんでだ?」

「ってか、アイツの場合はな。そんな思考以前の問題として、自分の体が有ったら『こうしたいなぁ』『こんな事をしてみたいなぁ』って思考から形成されてる部分が多い。だから、殆どが『素』若しくは『天然』なんじゃねぇか」


おぉ……これも、確かにそうだな。

実に納得出来る意見だ。


まぁただ、そうなった場合。

以前、崇秀から聞いた話とは異なっており『眞子は、TSしたから意識が目覚めたのではなく』

『14年間、完全に俺と共に生きて来た』って事に成るんだが……まぁ、そんな話は別に今更どうでもいいか。


眞子自身も、その時点で『俺に気遣って、そう言ったのかもしれない』し、敢えて蒸し返す話でもないだろうしな。

実際、アイツが、これを受け入れた上で、今を楽しく生きてられるのなら特に問題がある訳じゃねぇし。

それにこれは、所謂【その苦労があったればこそ、今、異性にモテまくってる】訳だから【苦労した分、報われてる】って話でもある訳だからな。


……けどな。

それとは別に、アイツ、不思議と同性にも嫌わた形跡もないんだよな。


じゃあ、そこはオマエ等の見解じゃあ、どうなってるんだ?


いい機会だから、此処も序に聞いたろ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


これはもぉ以前にも、飯綱ちゃんの口からお話した話題ではあるんですが。

飯綱ちゃんは、眞子がTSした人間だと言う事を知らないので。

今回は、その事実を知ってる2人の意見を倉津君は聞きたかったみたいですね(笑)


ただ、意見としては、そんなに変わらないのは、眞子が倉津君のお節介な性格を綺麗に引き継いでいるからこそなのかもしれません。

実際、倉津君のお節介も、眞子のお節介も、相手にとっては心地が良い物だと思いますしね。


さてさて、そんな中。

次回は、崇秀と細川君によって【眞子が、同性にも嫌われない理由】が明確に成って行きます。

果たして、どう言う見解に成っているのか?


良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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