1048 ややこし男達の襲来(笑)

 本日分の眞子との受験勉強を終わらせ、雑談していたら、眞子がトンデモナイ天然貢がせ女だと判明した。

そんな知られざる驚愕の事実を知って唖然とする倉津君だったが。


そこで突然、眞子の部屋の扉をノックする音が……


***


「あっ、は~い」

「あぁ、なんだ、ヤッパリ居たのか。……眞子、ちょっと入って良いか?」


チッ……誰かと思ったら、なんだよ魔王かよ。


……って、此処は崇秀の家なんだから奴が居ても当たり前か。


・・・・・・


うん?

いやいや、ちょっと待てよ。

3時間もこの家にお邪魔してて、今更ながらなんだがよぉ。


眞子に誘導されるがままに此処に居たけど、崇秀の家って、此処だっけ?


あれ?



「あぁ、うん、どうぞ。真琴ちゃんも来てるよ」

「そぅなんか?あぁ、だったら、勉強の邪魔になるかも知んねぇから、後でも構わねぇぞ」

「うぅん、大丈夫だよ。勉強なら、今しがた終わって雑談してたところだから」

「そうか。んじゃあ、お邪魔すんぞ」

「どうぞ、どうぞ」


そう言って崇秀は扉を開けて、事も無げに部屋の中に入って来るんだが、何故か悪魔の大幹部モジャモジャが一緒に入って来る。


なんだ?なんでコイツまで一緒に居るんだが?



「よぉ、久しぶりだな、眞子助」


そして奴は、いつも通りダラシナク物を言う。


……にしてもコイツ。

相も変らず、やる気のねぇ顔付きしてやがんなぁ。



「あぁ、誰かと思ったら細川君じゃない。ご無沙汰だねぇ。元気だった?」


どうやら眞子は、このモジャ公とも知り合いなんだな。


けど、眞子よぉ……

頼むから、知り合いは、ちゃんと選んでくれな。

そう言う『悪い輩』と付き合いを持つと、人間性が腐って行くだけだぞ。


確かに俺も、人の事を言えた様な義理の人間じゃねぇけどよぉ。

そのモジャだけは、特別良くねぇ……



「お蔭さんで、なんとなくだが息はしてるみたいな感じはあるさな。そう言うアンタの方は、どうなんだい?今の生活には少しは慣れたかい?」

「あぁ、ご親切に、どうも。私は見ての通り、いつも元気にやらさせて貰ってるよ」

「そりゃあ、羨ましいこったな。……あぁそうだ、これ、土産。みんなで喰ってくれ」

「こりゃあ、ご丁寧に」


そう言ってモジャは、お土産と称した紙箱を眞子に差し出す。

すると眞子は、その場で『ゴソゴソ』と箱を一旦開けて、中身を確認する。


は、良いんだけよぉ。

この女……また男に貢がしてやがる。



「……あぁこれ!!『メルク』のシュークリームじゃない。此処のシュークリーム美味しいんだよね♪流石、細川君は良いセンスしてるね」


おぉ……モジャのセンスはどうでも良いが『メルク』とは、これまた久しぶりに聞く名だな。

此処の店って、過去に俺が、真上さんの店に差し入れで持って行った事があるケーキショップなんだよな。


結構、有名な店だから、シュークリームでも良い値段する筈だぞ。



「そりゃあどうも。まぁ適当に買って来たんだが。喜んで貰えたなら、それはそれでOKさな」

「うん、凄い嬉しい。……あぁ、じゃあさぁ、折角、おやつを戴いたんだから。私、みんなの分の飲み物を淹れて来るね。コーヒーと、紅茶、どっちが良い?」

「そんじゃあ、遠慮なく。俺はコーヒーで頼むさな」

「じゃあ、俺も同じ物で頼む」

「アイス?ホット?」

「アイスと言いたい処だが、ホットで頼む」


……さてさて、なにやら、ややこしそうな話が始まりそうな雰囲気だし。

久しぶりに『やる気のない鳥の巣頭野郎』が元気なのを確認した事だし。

オィちゃんは天才共の邪魔になっちゃイケネェから、家に帰って、お勉強でもすっかな。



「了解了解。あぁっと、真琴ちゃんはどうする?」


おっ……なんだよ。

部外者である俺にも、飲み物を淹れてくれる訳な。


なんか2人が眞子に用事が有るみたいだから、さっさとお暇した方が良いのかと思ってた。



「いや、飲み物を入れてくれるのは良いんだが、俺が此処に居て良いのかよ?」

「うん?なんでそんな事を聞くの?そんなの、遠慮せずに居れば良いじゃない」

「ってかよぉ、俺が居たら、話の邪魔に成るんじゃねぇのか?」

「別にならないよ。……っで、なに飲むの?」

「あぁ、じゃあ、俺もホットで頼むわ」

「OKOK。みんなホットで良いんだね。じゃあ、ちょっと淹れて来るね」

「おっ、いつも悪いな」

「なんの、なんの」


そう言って眞子は、シュークリームの入った箱を持ってパタパタと部屋から出て行くんだが。


少ししたら……



「お母さ~~~ん、細川君からシュークリーム頂いたよぉ。お母さんも食べるぅ?」


……っと、廊下に出た瞬間には、そんな嬉しそうな声を上げながら、台所へ向かって行く。


どうやらモジャは、余分に幾つかのシュークリームを買ってきてるらしい。


やるなモジャ。



まぁ……それにしてもなんだな。


今、台所の方から眞子と、静流さんが楽しそうに話してる声が小さく聞こえて来るんだが、まるでホントの親子みたいな感じだよな。


あの2人って、そんなに仲が良いのか?



「なぁ、崇秀」

「んあ?なんだよ?」

「あのよぉ。眞子と、静流さんって、なんかスゲェ仲が良いんだな」

「あぁ、なんかそうみたいだな。まぁウチのお袋が、甚く眞子を気に入ってるみたいでな。偶に2人で、何所かに出掛けて行ってるみたいだぞ」

「そうなのか?」

「あぁ、お袋は、眞子の事を、自分に娘が出来たみたいに喜んでやがるからな。その内『早く結婚しろ』とか言い出すんじゃねぇのか」


うぇ……オマらの関係って、もぉそんな所まで話が進んでるのかよ。


俺と奈緒さんより後から付き合ったクセに、やけに進行が早ぇな。



「なんだ?やけに早急なんだな」

「まぁな。じゃなきゃ、わざわざ自分の家に、眞子の部屋は作ったりはしねぇだろ」

「オイオイ、まさかオマエが、そこまで眞子に惚れてるのか?」

「あぁ、惚れてるなぁ。アイツ程、俺を理解してる奴は居ねぇからな。大切な存在だな」


オイオイ、マジか?


そりゃあ、誰が見ても眞子は良い女だよ。

ブッチャケ言えば、俺から見ても容姿は端麗だし、スタイルも良い。

それに付け加えて、性格も良いし、あれだけの多種多様なスペックを誇る女なんだから、寧ろ非の打ちどころなんて物はない。

まぁ少々天然な所と、男に貢がせる傾向があるんだろうが、言い換えれば、それもまた良い女の条件なんだからな。

本当の姉弟である俺が此処まで断言するんだから、眞子が良い女だと言うのは間違いねぇ。


でも、だからって言ってもよぉ。

相手は、まだ生まれて、たった1年しか経ってない女だぞ。


なんでそんな奴が、意とも容易く、このアホンダラァを此処まで心酔させてるんだ?


なんか……此処は少し疑問だな。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


以前にも飯綱ちゃんの口から『眞子が男女問わずモテる理由』を聞いた事があったのですが。

その事情も踏まえた上でも『崇秀が、此処まで眞子に惚れ込む理由』が少し見えない倉津君。


まぁ、本当の意味で眞子の詳しい事情(眞子がクローンで1年しかまだ生きていない設定)を知らされてるだけに、どうやら不思議で堪らないみたいですね。


なので次回は、その辺をキッチリ納得をさせる為に。

これまた【真に眞子の事情を知ってる】崇秀と細川君(モジャ)が説得をしてくれるようですので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


あぁ、因みになんですがね。

なんで受験勉強の話をしてる筈なのに、こんな全く受験委は関係ない様な話を私が書いてるのか?の理由にはがお気付きでしょうか?


もしお時間がありましたら、皆さんも考察してみて下さいねぇ♪

<(_ _)>

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