1038 さぁ、俺の勇姿を見てくれ!!
前節までで眞子が散々幸せ語りをして来たのですが。
さぁ、満を持して、倉津君が受験勉強編に初登場の時がやって参りました!!
***
―――サイド真琴。
11月10日。
文化祭で約束した眞子との受験勉強が、この日いよいよ始まった。
だが、この日と言うのは、あの文化祭から一週間ほど経過してからのスタートになってる訳なんだがな。
この期間って言うのが、なにやら眞子が『俺の蓮高合格』の為の準備に手間取っていたらしく、少々無駄な時間を過ごす羽目になってしまっていたんだよなぁ。
だから最初は俺自身も、そんな眞子の状態を見て凄まじく身構えていたもんなんだが。
眞子との受験勉強が始まってみると、そんな重苦しい雰囲気は全くと言って良い程感じる事は無かった。
故に……あれよあれよと言ってる間に、今日も眞子との受験勉強の時間が終わりになっていた。
「……じゃあ、真琴ちゃん。今日の勉強は、これでお仕舞いね。なので出来たらで良いから、今日やった所の復習だけは軽くして置いてくれると嬉しいかな」
そう……この【あれよあれよと受験勉強が終わってしまう】のには当然訳がある。
今、眞子が言葉を吐いた通りアイツは、この俺の受験勉強には気合が入ってくれてる上に、なにより全ての勉強を面白おかしく教えてくれてるからなんだよ。
しかも、その科目が変わる途中途中の休憩時間では紅茶を淹れてくれたり、お菓子を出してくれたりの気遣いが、兎に角、絶える事がないからこそ、この受験勉強の時間が早く感じてしまっているんだ。
また、それと同時に、休憩時間は楽しく話をしてくれたりして、完全に勉強の話はシャットアウト。
こう言った、スゲェめりはりの付いた勉強方法で、俺の受験勉強を見てくれている。
だからって訳じゃないんだが、比較的、集中力が持続しやすく、時間の経過が兎に角早い。
故に、馬鹿の俺でも、ある程度の切り替えが出来、勉強もスゲェ解りやすいからヤル気がドンドン向上して行く。
『ホント、スゲェんだなコイツって』って感心させられるばかりだ。
だから俺も、そんな眞子に乗せられて……こんなセリフが自然と出て来る。
「おぉ、やっとくわ、やっとくわ。オマエの勉強の教え方はマジで解り易いからな。やる気がガンガンに出てくるぜ」
「そぉ?そう言って貰えると嬉しいね。じゃあ、この調子で明日も頑張ろうね♪」
「おぅ、当然だ!!この調子で蓮高合格を目指してバンバンやってやるぜ!!」
「うんうん。その勢い、その勢い。やれば出来る、やれば出来る」
いやはや、始まるまでは無謀だと思ってた事も、ホント、やればなんとかなるもんだな。
しかしまぁ、それにしてもなんだな。
眞子の奴、流石に俺と同じ細胞で構成されてるだけの事は有って、勉強中、俺が、なにを嫌がるかを良く理解してやがるみたいだから、一切合切そこには触れてこない。
……って言うのもな。
ほらほら、俺ってよぉ。
今までロクデモナイ事しかしてこなかっただけに留まらず、勉強なんてほぼほぼしてこなかったじゃん。
まぁ、昏睡前から、此処の改善を図ろうと思って、自分也に少しづつ勉強はしてたんだけどな。
それは何処まで行っても、独学でやってただけに過ぎないので【勉強してても、理解出来ない所も結構あったんだよ】
っでまぁ、そう言う部分って、人間、どうしても放置してしまう癖がでてしまうもんだから。
当然、この真琴の受験勉強でも、その解らない所が来たら『あぁ、こんな事も解らないと眞子に思われたら馬鹿にされるんじゃないかなぁ』って思ってたんだけどな。
アイツは、そう言う部分が来て俺が顔を顰めていても、馬鹿にする事もなく。
俺が理解出来るまで、丁寧に丁寧に教えてくれるんだよ。
しかも、少しでも理解したら、矢鱈滅多ら良く褒めてくれる。
褒められる事が異常に少ない俺にとっては少々照れ臭い行為ではあるんだが、当然、これについても何1つとして悪い気はしない。
寧ろ、見事に俺のツボを押さえた教え方だと言えよう。
流石姉弟、完璧だぜ眞子!!
「じゃあ、本当に今日は、これでお仕舞いにしよっか」
「おぅ!!じゃあ、俺も帰って勉強すっから、悪ぃけど、明日も、また頼むな」
「任せといて。……あぁでも、あまり無理はしなくて良いよ。そんなに詰め込んでやらなくても、絶対に大丈夫だからさ」
「おぅ、サンキュウな。……じゃあな眞子、俺は帰るわ」
「うん。気を付けて帰るんだよ」
「子供か俺は……」
そう言い残して、俺は、奈緒さん家から帰って行った。
それにしてもまぁ。
眞子と、こうやって正面から付き合うのは一連のクローン騒動以降からなんだが。
俺に対する気遣いが、何所や彼処に見受けられる。
しかもそれを、常に極自然体でやってのけるなんて、ホント凄い奴だよな。
マジで感心させられたわ。
***
……えっ?
いやいやいやいや、ちょ!!ちょっと待ってくれ!!
ひょっとしてなんだけどさぁ……今回の俺のパートって、これだけ?これだけで終わりなのか?
眞子の奴が、無駄なぐらい長々と話していたと言うのに……俺はこれだけ?
……って事はですぞ。
今回も俺がメインの話じゃなかったのね。
オイオイオイオイ、なんだよ、それ?
こんなの『不幸』過ぎるだろ!!
(↑今回の見事なオチ(笑))
***
―――次回予告。
そりゃあねぇよ。
こりゃあ幾らなんでも酷すぎるってもんじゃねぇのか?
こんなもん、誰がどう考えても完全に話の乗っ取りじゃねぇかよ!!
実際、今回のメインだった筈の俺が、最初と最後の最後にちょっとしか出てねぇなんて……これは、あまりにも扱いが雑過ぎるだろ!!
あの女だけは、ほんとロクデモナイ事ばっかりしやがるな!!
そんな訳で次回は……
『Let`s study!!』
「勉強しようぜ!!」
……っを、今度こそ俺だけがメインで、お送りするぜ!!
間違いなく俺、メインで再び!!
……なんか、そう言いつつも不安は拭えないんだけどな。
眞子よ。
頼むから、もぉ次回は『先に話がしたいんだけど』とか言って、冒頭でひょこっと出て来るなよ……
良いな、今度は本当に出て来るなよ!!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これにて、矢鱈と長かった第一章・第六十話【Are you happy-life or unhappy-life?(幸せ生活、それとも、不幸せ生活)】はお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?
まぁまぁ、私自身の悪意ある悪ふざけなんかもあって。
長々と幸せ語りをする眞子に対して、恐ろしく短いパートで倉津君が不幸だった、って事を表現したかった訳なんですがね。
実際の話だけをすれば、倉津君が別に不幸な訳ではなく。
一応は【倉津君の受験勉強が順風満帆にスタート出来てた理由が、眞子の精神的な成長があったればこそ】だと言うのを表現したかった部分でもあるんですよ。
……って言いますかね。
ブッチャケ、姉弟設定とは言え、眞子ほどの美少女に勉強を見て貰える事自体が【奇跡的に幸せ】な事なのですから、倉津君も文句を言ってちゃいけないんですよ。
ご理解頂けましたか?(笑)
さてさて、そんな訳で第六十話は、これで本当に終わりなんですが。
このままでは、倉津君と眞子が『どう言う勉強の仕方をしているのか解らない』と思いますので。
次回から始まる第一章・第六十二話【『Let`s study!!(勉強しようぜ!!)】では、その具体的なやり方を紹介していきたいと思いますので。
良かったら、また次話も遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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