1037 今回のお話で何を感じるのか?
倉津君の受験に呪われたベースの効果(上手くいっても満足しない)を利用しようとして、崇秀に散々怒られた眞子。
ただ、話はそれで終わったのではなく……
***
「いや、コッチは、そんな大層な話じゃねぇんだがな」
「うっ、うん」
「あのベースの呪いの件についてなんだけどな。あの呪いの正体なぁ、音と振動によるものだったって判明したぞ」
「えっ?なにそれ?なにがどういう事?」
その音と振動とやらが、あの呪いの正体だった……って事?
もしそうなら、ちゃんと調べれば、そんなのまで判明出来ちゃうんだね。
でも、どう言う原理で、そう成っちゃったんだろうね?
「いやまぁ。簡潔に言うとな。あのベースが奏でる音には、ある種、人を意識を向上させる音が含まれてたんだよ。まぁこれについては、ベース本体の乾き具合と、ピックアップの相性で生じた偶然の産物なんだが、本人に演奏技術さえあれば基本的には作れない音じゃない。……けどな、その音とは別に、演奏者にとっては、ベースの振動による不快感が生じさせるベースでもあったんだとよ。そんで、その2つが偶然にも重なって『呪い』と言う言葉になっていた。早い話『その2つが複合されたものが呪いだった』……って事が、立証されただけの話だ」
「えっ?じゃあ、あの言われ続けてた『呪い』は、この世には全く存在しなかったって事?」
「当たり前だろ。んなオカルティックなものが、この世に存在するかよ。大体にして、世の中に解明出来無いものなんてなに存在しないんだよ」
なにその決め台詞?
アンタは、どこかの古書店の店主か?
「故にだ。逆説を唱えれば。あの『呪い』って言われていたるものを、故意的に再現する事も可能になったって訳だな」
「えっ?あの、それって、まさか……」
「当然、謎を解明したのに、ジムのオッサンがベースにセッティングしてない訳ねぇだろ。スィッチの切り替えで『呪いだった』ものの使用は可能だ。これこそが『呪いだったもの』って言った意味だな」
それで最初から『呪いだった物』だって崇秀は言ってたんだ。
でも、それだったらさぁ。
「あれ?でも、さっきさぁ『呪いが悪影響を及ぼすかも知れないから、ジムさんがバチカンに持ち込んでくれた』って言ってなかったっけ?今の話だったら洗礼する必要なくない?」
「なぁにな。そこについても、その正体が解ったのが洗礼を受けた後だったってだけの話だ。だから基本的な部分で言えば、洗礼する必要なんてどこにも無かったって認識は正しいな」
「うわっ!!そりゃないよって感じだね」
「だな」
ジムさん、私の為にバチカンまで行って呪いを解いてくれようとしてくれたのに……
そのすべてが無駄骨って……
「あぁ、あのさぁ。それとさっき言ってた『呪いが再現出来る』って言うのは大丈夫な方向なの?」
「まぁ100%とは言い切れないが、ほぼ大丈夫だろうな。第一、科学的に証明されてるものに早々危険性はねぇだろに。もしなんかあったとしても、またそれを解明すりゃあ良いだけの話なんだしよ」
「あぁそっか。そう言われればそうだね」
「まぁ勿論、それを使うのも、使わないのも、オマエの判断次第、全ての判断はオマエに委ねられてるって話でもあるけどな」
しかしまぁ、なんてオチなんでしょうね。
過去にあった『呪い』の正体も、近代科学の前では丸裸にされちゃう訳ですね。
所詮『呪い』なんて、そんなもんなんだね。
「まぁけど。俺の言いたい事は、ジムのオッサンが、そこまでしてくれた気持ちを忘れるなって話だ。呪いの話を聞いたからって、此処で変な勘違いするんじゃねぇぞ」
「そうだよね。そこは本当に感謝しないとね。それにもぉ『ものに頼ろうとする』様な馬鹿な事を考えずに、自分に課せられた課題には真正面からブチ当たっていくよ」
「お利口さんだ。それが俺とオマエが生きて行く道だからな。もぉ変に甘えた事を考えるんじゃねぇぞ」
「うん。ホント、そうだよね」
少し怒られはしたけど、またこうやって私を良い方向に導いてくれた。
自分のすべき事には、自ら力で取り組んで、なにかに甘える事は全く必要ないって事だね。
まぁ勿論、もし利用出来る物があるのであれば、利用する事は今後も無いとは言い切れないけど
その辺は安易に楽する事を考えるのではなく。
ちゃんと『本当にそれが必要な事なのか』とか『それが無くても出来る事なのか』を判断した上で、臨機応変に使って行こうと思う。
今回の崇秀の話は『考え無しに、物に頼ろうとしたからこそ怒られた』って事だからね。
……で、これらを総称して考えれば。
この多くの判断をしなきゃいけない難しい人生を歩む事が『苦しくも幸せな生活』ではないのかと思えた。
まだまだ皆さんに支えて貰ってる立場だけど。
自分の出来る限り以上の事に対して、いつまでも頑張り続けないとイケナイんだね。
また良い勉強になったよ。
***
……って言うのが、今回の私の話の全容です。
『幸せ』って言うのは身近にあるものを感じ。
また自らの手で掴もうとしないと、本当の意味での幸せは見つからないって話だね。
そんな感じで、私が「真琴ちゃんに【先に話す事を】を譲って貰ってまで話したかった【短いパート】のお話』はお仕舞いです。
さぁ、真琴ちゃん、後のパートは任せましたよ♪
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪
さてさて、今回の、この60話でのお話なんですがね。
この眞子の幸せ語りと、受験に、なんの関係性があるのか不思議に思われた方も多いとは思うんですがね。
これだけ精神的に安定して余裕のある眞子ですら「ミスを仕出かす」って話をしたかったんですよ。
まぁ、少々これじゃあ意味が解り難いとは思うんですがね。
前回までの話では『受験生には、本当の意味での精神的な安定や拠り所が必要』っと言う事を書いて来ていたとは思うんですよ。
っでまぁ、その中であっても眞子は、受験に対しては恐らく一番安定した余裕のある精神状態だったにも拘らず、今回、この様なミスを仕出かした。
……って事はですよ。
『受験生(子供)と言うのは、気持ちに余裕があり過ぎても慢心してミスをしてしまう可能性がある』って話になりますよね?
早い話、どれだけ受験に余裕があり、家庭環境で精神的にも余裕があっても【最低限の緊張感は必要】であり【そのバランスを取るのが難しい】って話をしておきたかった訳ですよ。
実際、その些細なミスが重なってしまったら【受験に失敗してしまう事もある】訳ですから、親子共々最後の最後まで慢心してはイケナイって話だったのですよ(笑)
さてさて、そんなややこしい話が続く中。
漸く、次回からは倉津君の出番がやってきた訳なのですが……
あれ?今から倉津君の話をするにしても、なんか眞子の話が長すぎませんかね?
まっ、まぁ、兎に角、次回からは倉津君サイドの話を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
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