1030 ゆっくりと母娘として

 お母さんと一緒に入浴していたお姉さん達は、Ns‘Fで会計と電話担当をしてくれる方達だった。

そして彼女達の会話の中で静流お母さんが【GUILDの長が崇秀だと知らない】っと言う衝撃の事実が浮き彫りに成ったのだが。

そこは眞子が、なんとか上手く誤魔化して事なきを得た(笑)


***


 ……っで。

近い将来『Ns`F』のスタッフに成られるお2人が、お風呂を上がられて、風呂場には静流お母さんと2人になる。


なので当然、私がズッと憧れていた事をさせて貰う事にした。


それがなにかって言いますと。

お母さんの頭を洗わせて貰ったり、背中を流させて貰ったりしているんですよね。

そんで嬉しい事に、そのお返しとして、今お母さんが、私の頭を洗ってくれてる。


……っで、そこで思った事は、ヤッパ、此処でもプロは違うね。

お母さんに頭を洗って貰ってるだけなのに、普通に自分で洗うより100倍は気持ち良いんだよね。


これは矢張り、凄い技術ですよ。



「眞子、気持ち良い?痒い所はない?」

「あぁうん。凄く気持ち良いよ。お母さんって、ヤッパリ凄いんだね」

「そぉ?特に変わった事はなにもしてないんだけどね。気持ちが良いなら良かった」


だって、こんな親子の様な事をして貰ったのは私自身生まれて初めてだもん。


だから『静流お母さんが、生まれた時から、本当に私のお母さんだったら良かったのになぁ』なんて厚かましい事を思ってしまうぐらい幸せを感じてしまっている。



「でも、嬉しいわね」

「えっ?なにが?」

「うん?なにって。こうやってね。自分の娘みたいな子に、体を洗って貰ったり、洗い返したり出来るなんて、私自身も思ってもみなかったからね。特にウチには馬鹿息子しか居ないから、こう言う事が中々出来無かったのよ」

「あぁそっか。男の子って、中々お母さんと風呂に入る機会なんてないもんね」


まぁ、入ってたら入ってたで少々ドン引きな部分では有るんだけど。

こんな風に母親って、いつもまでも子供に甘えて欲しいもんなんだろうね。


この今の発言は、そんな母親としての心の表れだと思う。



「そうなのよね。特に崇秀は、小さい頃から凄く自立したがってたから、尚更、こう言う事が出来なかったのよ」

「そうなんだ。じゃあ、いつ位から、崇秀は1人で風呂に入ってたの?」

「幼稚園の頃。しかも年少の時から1人で入ってたわよ」


……そうなんだ。

じゃあ尚更、お母さんとしては寂しい気持ちに成っちゃうよね。


だったら。



「じゃあ、私なんかで良かったら、いつでもお母さんと一緒にお風呂に入らせて貰います」

「そぉ。嬉しい事を言ってくれるわね。……でも、眞子」

「なにお母さん?私、なにか変な事を言っちゃった?」


なんでだろう?

お母さん、なんか私の言葉に反応して、少し怒ってる感じがするね。


私、またなんか気に障る様な事を言っちゃったのかなぁ。

それとも、今の発言自体が厚かましかった……って言うのはないと思うんだけどなぁ?



「言ったわよ。私が、凄く気に入らない言葉を言った」

「ごっ、ごめんなさい」

「うぅん。眞子が、そうやって謝る程の事じゃないんだけどね」

「うっ、うん」

「眞子は、決して『なんか』じゃないのよ」

「えっ?」

「私は、眞子みたいな良い子が一緒に風呂に入ってくれるから嬉しいのよ。だから、もぉ二度と、その『なんか』なんて言葉を使っちゃダメよ」


……そっか。


別に私は、お母さんが思う様な良い子じゃないけど。

お母さんは『~なんか』って、自分を卑下する様な言葉が嫌いなんだね。

それに私の事を、本当の娘の様に感じてくれてるからこそ、余計に、そう言う言葉は使って欲しくなかったんだ。


じゃあ、この言葉は、今後使わない様に気を付けなきゃね。


自分の娘が、自分が卑下しちゃうようじゃ、親としては心配に成っちゃうでしょうしね。



「うん、ごめんなさい。だから、また一緒に入ろうね。お母さん大好きだから」

「そぉ。じゃあ、また一緒に入ろうね。……それにしても、本当に嬉しい事を言ってくれちゃって」

「これは本音だよ本音。本当に私は、お母さんが大好きなんだよ。嘘なんか、これっぽっちもついてないよ」

「はい、頭を洗ってる間は、コッチ向かない」

「ぐぇ!!……痛い」


お母さん、崇秀と同じ事するのはヤメテ下さいな。

そんな風に、頭を洗ってる途中に私が後ろを振り向こうとしたら、強制的に前を向かすのは辞めて下さい。


首がもげちゃうよ。

ってか、これって『仲居間家伝統の技』ですか?

私になら良いけど、お客さんにはやっちゃダメですよ。


なんか静流お母さんだったら、お客さんでも容赦なくやってそうな気がしないでもないけど。


あぁ因みにだけどね。

今は、コンディショナーをして貰ってたの。

最近、髪が結構伸びちゃってるから、頭を洗うのにも、かなり時間が掛かっちゃてるんだよね。



「あぁ、ごめん、眞子!!大丈夫?ついいつもの調子でやっちゃったけど、そんなに痛かった?」


やっぱりやってた(笑)



「大丈夫、大丈夫。私、これでも、結構、頑丈な方だから少々の事では壊れないよ」

「頑丈って……女の子の言うセリフじゃないわね」

「だね」


でも、頑丈ですよ。

巷じゃ『体がガンダリューム合金で出来てるんじゃないか?』って噂が立つぐらい頑丈ですからね。

自分でも驚く程、かなり頑丈に出来てます。

しかもダメージを受けても『DG細胞搭載型』なので、直ぐに回復しちゃいます。


……そんな風に話ながら、漸く此処で頭を洗い終えて、シャワーでコンディショナーを流して貰った。


その後、厚かましく、背中まで洗って貰ってるんだけど。


その時にね。

次は、こんな話を持ち掛けてくれたの。


ってか、お母さんも、結構お喋りなんだね。



「ねぇ眞子」

「なに、お母さん?」

「眞子は、崇秀のどこが気に入ったの?」

「えっ?どこって……なんで急に?」

「そりゃあ、親としては心配よ。だって、あの子、かなりの変わり者でしょ。親から見ても、何所が良いのか、皆目見当が付かないのよね」


見当も付かないかなぁ?


崇秀は、女子にモテる要素しか無いけどなぁ?



「えっ?全然、崇秀は変わり者じゃないけどなぁ。それに私、崇秀の事なら、頭の先から、足の爪先まで、崇秀の全部が好きだよ」

「えっ?そんなに、あの子の事が好きなの?」

「うん。好きだよ。大好き♪崇秀程、良い奴なんて、世界中探しても、絶対に見付からないもん。だから世界一好き♪それで、そんな崇秀を生んでくれたお母さんも大好き」


これは、まごう事無き事実。


私の中で一番の真実。

これだけは、なにが有っても覆らない。

……って言うか、仲居間家の人みんな大好き♪


まぁそうは言っても、正直言えば、崇秀のお父さんの事はよく知らないし。

崇秀が嫌う程あまり良い噂を聞かないから、特に好印象と言う訳ではないんだけど。

それでも、そのお父さんが居なければ、100%崇秀が生まれなかったので、そこだけは好印象を持ってる。


だからみんな好き♪



「そぉ。でも、崇秀以外にも好きな人は居るでしょ」

「うん、そうだね。私、義理の姉の奈緒ネェの事も大好きだし。親戚の真琴ちゃんの事も好きだよ」

「他には?」

「あぁ、正直言っちゃうと。私は知り合った人が、みんな大好きなの」

「そぉ」

「うん。でもね。その中でも崇秀だけは、何所までも別格。もっと本当の事を言うと、好きとか、そう言う安っぽい感情じゃなくてね。居てくれないと、私の存在意義すら無くなっちゃう様な気がする位の存在。私にとって崇秀は、それ程までに掛け替えのない人だと思ってるよ」


少し恥ずかしいし。

崇秀のお母さんに、かなり大胆な事を言っちゃってるね。


でもね。

静流お母さんは、私のお母さんだって言ってくれた人。


嘘だけは付きたくない。



「そんなに、ウチの崇秀の事を想ってくれてるの?」

「うん!!そこは、絶対的な自信を持って断言出来るよ。崇秀とは一生一緒に居たいと思ってるもん」

「そっか。あの子も、良い子に巡り会えたみたいね。……でも、眞子、安易に性交渉をするのだけはダメよ。私みたいなっちゃうからね。それだけは、なにが有っても気を付けるのよ。安易にモノを考えちゃダメよ」


その心配は、今は、もぉ大丈夫だよ。


女の子に成って、少し余裕が出てきた時期には、興味本位とかで『Hしてみたいなぁ』とか思ってた事も有ったけど、今は、そんな馬鹿な感情は0。

それ処か、寧ろ、快楽に溺れて、子供が出来ちゃうのが怖い。


そう言う安易な考えは、今はしない。



「うん、解ってるよ。私、別に、崇秀とHがしたいから一緒に居る訳じゃないもん。その辺は崇秀も、よく解ってくれてるから、そんな安易な真似はしないよ。でも、お母さん、こんな言い方しか出来なくて、ごめんね」


そうなんだよね。

この『安易』って言葉は、お母さんを一番傷付ける酷い言葉だから、あまり言いたくない言葉。

それ故に、自分が悪い言い方をしか出来ていないのも十分に承知している。


でもね。

お母さんの懸念してる部分を上手く払拭させる様な言い方を、私には、他に、なにも思い付かない。


だから、こう言う風に言い方しか出来なかった。


言葉知らずで、本当に、ごめんなさい。



「うん。解ってるなら、それで良いのよ。眞子は、なにが有っても、そう言う風にだけはなっちゃイケナイからね。決して、私みたいに、後ろ指を刺される様な人生だけは歩まないで頂戴ね」

「『!?』お母さん、そんな言い方はしないで!!」

「えっ?」

「お母さんは、後ろ指を刺されれる様な人生なんか、なに1つとして送ってないよ!!世界一立派なお母さんだよ!!……それに、もしお母さんが、その時、崇秀を生む決心をしてくれなかったら、私は、一生こんな幸せな気持ちには成れる事はなかった。だから、もぅ1度言うね。……崇秀を産んでくれて、ありがとう、お母さん。本当に感謝してますし、大好きです」

「眞子……」


本当に感謝してます。



「あぁでも。……ちょっと、生意気だったかな?」


私がそう言うと、お母さんは、背中からソッと優しく私を抱き締めてくれた。



「……良かった。……私、崇秀を産んで本当に良かった。こんな良い子と巡り逢わせて貰えるなんて、あの子にも感謝しないとね。それと、ありがとうね、眞子」

「そんな。私こそ、ありがとう、お母さん。私、2人にもっと気に入って貰える様にイッパイ努力するね」


また生意気ですね。


……すみません。



「はぁ……。でも、ホント眞子には、まいっちゃうね。まさか、こんな事まで言って貰えるなんてね。早く、眞子が結婚出来る年になって欲しいわ。直ぐにでも、アナタを正式に仲居間家の子にしたい心境よ」

「本当?もし本当なら嬉しい。だから、その時は、宜しくお願いします」

「そうね。楽しみにしてるわ」

「はい」


私も、早く、本当のお母さんの子になりたいです。


……って、お母さん?なんで、私のオッパイ揉んでるのかな?


それ……今の、この感動的なシーンには関係なくない?


って言うか、これ、本当の母娘なら猶更やらないよね?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


こう言う語らいがあってこそ、他人同士が、本当の親子の様に振舞えるようになって行く。

なんと言っても、こう言う会話の中には『お互いが話題にして欲しくない事』が混じっていますからね。

そこを理解する為にも、こう言う何気ない会話するって言う時間を設ける事って、意外と大事な事なんですね。


まぁ、お互いの歩み寄りが必要な事なので、中々難しい事でもあるんですけどね(笑)


さてさて、そんな中。

眞子の事が更に気に入った静流さんは、何故か、眞子のオッパイを揉んでしまっている様なのですが。

何をしてるんですかね、このお母さんは?


って事で次回は、なんでお母さんが眞子のオッパイを揉んでるのか……って、そんな事は誰も気にしてないか(笑)


まっまぁ、そんな感じなので、良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~♪

(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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