1027 このお2人は誰なんだろう?

崇秀との会話に夢中になり過ぎて、静流お母さんと一緒に風呂に入る約束をスッカリ忘れてた眞子(笑)

それ故に、大慌てで風呂場に行ってみたら、そこには銭湯並みの大きさの風呂が!!

しかも、風呂の中からは、多人数の声すら聞こえて来ており……


***


「お母さん」

「うん?あぁ眞子、漸く来たのね。……ふふっ、その様子じゃあ、崇秀と話が盛り上がっちゃったみたいね」

「あぁうん、ごめんなさい。……いっぱい盛り上がっちゃった」

「そぉ、それは良かったわね」

「うん♪」


静流お母さんには、笑顔で許して貰えた♪


それにしても、お母さんさぁ……女の私から見てもドキドキしちゃうぐらい綺麗だね。



「ねぇ、静流さん。そちらお嬢さんは、どちらの方なんですか?」


あっ……お母さんに見蕩れてる間に、知らないお姉さんに質問の先を越されちゃった。


まぁ、この辺は、いつものよくあるパターンだから慣れっこ。

会話のイニシアチブを取られた事ぐらいなら、そこまで気にする事でもないか。



「この子?この子は、将来ウチの子になる子よ……向井眞子さんって言うの。良かったら中山さんも可愛がってあげてね」

「あの、向井……」

「えっ?……えぇ~~~、嘘ぉ~~~!!それって、この子が、崇秀さんの奥さんになるって事ですかぁ?」


あっ、あの、オネェさん……会話のイニシアチィブを取るのは、別に構わないんですがね。


それならそれで、せめてですね。

自身が次のお話を始める前に、私にも自己紹介させて頂く時間ぐらいは下さいよぉ。



「そうね。この調子で行ったら十中八九そうなるんじゃない。……って言うか、なに?その言い分だったら、中山さんも、ウチの馬鹿息子を狙ってたの?」

「いやいや、流石に、年齢的にも、それは無いんですけど。しかしまぁ、あの崇秀さんが1人の女の子に絞るとはねぇ。……正直、驚きですよ」


あぁ……焦ったぁ~~~。


自己紹介の件は、別に置いておいても良いんだけど。


このお姉さん。

お喋りな感じだけど、綺麗なお姉さんだから、崇秀を狙ってたら、どうしようかと思っちゃったよ。

一瞬、また暴力で解決する方法が脳裏に過ぎっちゃったしね。


……って思いながらも、お母さんの横にチョコンと座って半身浴。


安心を得れたので、お母さんの真似♪



「そうなのよねぇ。崇秀が、家に彼女を連れてくるなんて、生まれて初めての事だったから、私も、最初は、かなり驚いたわよ」

「へぇ~~~、それはまた意外ですねぇ。崇秀さんの事だから、女の子を取っ替え、引っ替えしてるのかと思ってましたよ」


あっ、今度は、違うお姉さんが話し掛けて行った。


この人も綺麗な人だなぁ。

崇秀同様、お母さんの周りも綺麗な人が集まるんだね。


これって血筋?


まぁそれはそれとして……このお姉さんの持つ崇秀に対する認識は酷いものがあるね。


わかってないなぁ。

崇秀は、そんな女性を取っ替え引っ替えする様な軽薄な男じゃないんですよ。

ちゃんとその辺の認識を改めて欲しいものだ。


……なんて嘘です。

私も最初は、そうだと思ってましたから。



「それが、そうでもないのよ。まぁでも、菜摘ちゃんの言った通り。あの子、中学1年生の頃までは、女の子を取っ替え、引っ返してたらしいんだけど。なんでか急に勤勉になっちゃってね。女遊びを一切やめちゃったのよ」

「急に……ですか?」

「そぉ、急に。……確か去年の4月ぐらいだったかしらね。それで私、心配になって『どうしたのよ崇秀?もぉ彼女は作らないの?』って本人に聞いてみたら『いつまでも遊んでられるかクダラネェ』とか言い切られっちゃったのよ」


それって……あの初めてのライブの日の話かなぁ。


もしそうなら、あの話って、実話だったんだね。



「うわ~~~っ。母親の静流さんの前で、こんな事を言うのもなんですけど。嫌な感じのマセ餓鬼ですね」


あの~~~……確かに、誰がどう聞いても、嫌な感じのマセ餓鬼なのは認めますけど。


あの……その、一応は、そのお方は、私にとっては死ぬほど大事な彼氏なんですけど……


ですから、そこはですね。

もぉちょっとだけ、言葉のオブラートに包んで貰って良いですか?


崇秀の事を『嫌なマセガキ』とか言われたら、私が、かなり凹んじゃいます。



「……っで、そんな風に女遊びを辞めた筈なのに。突然、この子を見初めたって訳ですか?」

「そうなのよね。本当に突然、先週この子を家に連れて来て『自分の彼女』だって。……でも、私も、この子の事が気に入ったから、2人の交際には大賛成なんだけどね」

「それって、静流さんまで、この子を気に入っちゃったんですか?」

「そうよ。眞子は凄く可愛いのよ。……眞子、挨拶しなさい」


あっ……此処に来て、漸く自己紹介のチャンスが貰えた。


では、此処で一発、いつもの『真上さんモード』で……



「あぁっと、初めまして、私、向井眞子と申します。不束者ですけど、どうか宜しくお願いします」


……っと、立ち上がって笑顔っと♪

そんで、キッチリ頭も下げて「ペコッ」っとね。



「ぷぷっ『不束者』って……静流さん。この子、凄いインパクトありますね。それに良く見たら、お人形さんみたいに可愛いですね。なんですか、この子?」


いや『なんですか?』って聞かれましても『向井眞子です』としか答えられないですね。


どうやっても、私は向井眞子なんで……



「あぁ!!ちょっと待って秋奈!!私、この子、知ってるかも!!確か向井眞子って言えば、今年の頭、全米を震撼させた子なんじゃない!!」


あぁいやいや、それは、大きな誤解ですよ誤解。


そんな大層に言って貰える様な事は、なにもしてませんって!!

あれに関しては、ただただアメリカに行ってまでドサ周りをさせられただけの話なんで。



「あぁいや、私は……」

「えぇ、なにそれ?なにしたの、この子?」


いや、あの、お喋りお姉さん、私の話も聞いて下さいよぉ。

それになんか『なにしたの?』って言われたら、悪い事をしてる犯罪者みたいな言われ方なんですけど。


まぁ……元は、そんな感じなんですけど、今は違うんでヤメテ下さい。


ってか、早く話を止めないと、ちょっと雰囲気的にもやばい様な気がして来た!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


風呂場には静流お母さん以外にも女性が二人。

しかも、結局、彼女達の正体は不明のまま(笑)


果たして、この2人は何者なのか?

そして、静流さんとは、どう言う関係なのか?


次回はその辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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