1026 慌ててお風呂場に来てみたものの……えぇ……

 崇秀の言動から、彼が何を考えてるのかを必死に導き出した眞子。

そして、それを聞いた崇秀の反応はと言うと……


***


「その通りだ。大したもんだな」

「そっか、当たりか。……でも、良かった。これで少しは崇秀の事を理解してあげられてるね」

「そうだな。しかしまぁ、こうやって人に理解されるってのはマジで嬉しいもんだな」

「崇秀は複雑すぎるのよ。……それに優しすぎ。もぅちょっと、お気楽でも良いと思うよ」

「だな。……って事なんで、これからはオマエに素で接して良いか?」


それは身に余る光栄ですよ。


……にしても、相変わらず、話を上手い事纏めるねぇ。



「うん♪私なんかで良かったら、幾らでも甘えて下さいな。私も崇秀に一杯甘えたいし♪」

「そっか。じゃあ、早速で悪いんだが、そんな眞子にどうしても1つ頼みたい事があるんだがな」

「うん?なになに?なんでも言ってくれて良いよ」

「悪ぃんだけどよ。そろそろ、風呂に行ったお袋の面倒を見てやってくれねぇか?」


『!?』


しまったぁ!!わっ……忘れてた。

崇秀との話に夢中になり過ぎて、完全にお風呂に行ったお母さんの事を忘れてた!!


大変だぁ!!大変だぁ!!

このままじゃあ、静流お母さんが茹蛸になっちゃうよぉ!!



「あぁ……またやっちゃったよぉ!!はわわわわ……急いで行かなきゃ!!」

「アホ。そんなに慌てなくても、お袋は、いつも平然と2時間位風呂に入る女だ。そこの心配はイラネェよ」

「あっ、そうなの?それにしても、お母さん長風呂なんだねぇ」

「まぁな。入浴は、仕事で忙しいお袋にとっての唯一の楽しみだからな。……まぁつっても、半身浴してる時間が1時間位有るらしいんだけどな」

「そうなんだ。……でも、1時間位も半身浴をするって事は、半身浴って、そんなに良いものなの?」


これって……ひょっとして、お肌を綺麗に保つ為の秘訣ですかね?

もしそうなら、それはもぉ是非是非、女の身としては知って置きたい情報ですね。


あぁでも……お母さんが、既に長い時間、風呂で待ってくれてるから、出来れば端的にお願いしますね。


長いのや、質問形式の奴はダメだよ。



「あぁ、そうだなぁ。言うなれば、長時間半身浴するって事はだな。風呂から出る湯気に当たるって事でもある訳だから、単純に考えても『ミスト効果』があるんじゃねぇか。んで、それと同時に、体の奥にある老廃物を体外に送り出し易い状態にもなる訳だから、端的に言っても、家庭で出来る『簡単美肌効果』って奴が得れるんじゃねぇか」


あらまぁ。

これはまた私の希望通り、思いっきり端折ってくれた端的な説明でしたね。


流石、崇秀、私の気持ちをよく解ってくれてらっしゃる。


大好き♪


うぅん、もぉ超大好き♪


***


 ……そんな、私にとっては大切なやり取りでも、お母さんのとっては、ただの迷惑なだけの崇秀とのやり取りがあった後。

私は一旦、この家に用意して貰った自室に行き。

そこで寝巻きと、下着の着替えを一式を箪笥から出してから、それを持って、静流お母さんの待つお風呂に急ぎ向かって行く。


そんで、意気揚々と風呂場に着いたら……



「えっ?……なんじゃね、これは?」


……って言葉が自然に出て来てしまう様な、信じられない様な光景が待ち構えていた。


……って言うかね。

なに、なんなの、ここ?

この脱衣場の異常なまでの広さは……単純に見積もっても、ホテルの大浴場位の大きさがあるんだけど。

それに設備も色々置いてあって、全てがホテル並の設備なんだけど……


しかもトドメに、洗濯機や、乾燥機まで並んでる始末。


ホント……なんじゃね、これは?


……なんて言う風に、余りの衝撃に呆気に取られてたんだけど。

そんな事を、今はジックリ考察してる場合じゃない事を思い出した。


まぁそれ以前に、どうせ、この辺については崇秀がやった事なんだろうし。

ならば後で、その辺の事情を崇秀に問い質せば、なにもかもが簡単に解決する話だろうしね。


今は、先に入って風呂で待ってくれているお母さんを優先すべき時だしね。


そう思って、慌てて衣服を脱ぎ去り、風呂場に向かって行く。


……でも、幾ら慌ててても、服は綺麗に畳む。


これ、女の子の常識。


***


 ……っでまぁ今度は、風呂へと向う扉を開ける訳なんですが。


流石に、もぉ驚かないよ。


でも……そうは言って見たものの。

本心じゃ、誰が見てもビックリする位の大きなお風呂。


既に家庭用の風呂場の大きさじゃない……ってか、これ既に銭湯じゃん!!

ウチのちっちゃい風呂から比べれば、多分、単純計算で見積もっても20~30倍位の大きさは軽く有る様に感じる。


……にしても、本当に馬鹿げた大きさだ。


……でもね。

そんな風呂の大きさは別としても。

それ以前の問題として、1つ不思議な事がこの場では起こっている。


それが、なにかと尋ねられたら。


何故か風呂場から、何人かの女の人の声が聞こえてくるんだよね。

しかも、お母さんが、その誰かと喋ってる様子。


こんな大浴場の様な風呂とは言え、一応此処は一般家庭のお風呂。

ならば、一体、誰と静流お母さんはお風呂に入っているんだろうね?


ひょっとして、ご近所さん?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


崇秀との意思疎通には成功した眞子でしたが、話に呑まれてしまい。

先にお風呂に行って待っててくれてるの静流さんの事をスッカリ忘れてた眞子。


相変わらずこの子は、目先の事に集中すると、全く周りが見えなくなってますね(笑)


まぁ、これもある意味、眞子らしいと言えば眞子らしいのですが。

そんなお間抜けな眞子の前に姿を現した、銭湯並みにデカイお風呂場!!

しかも、そこからは何故か『複数の人の声』が聞こえて来てる様子。


果たして、このお風呂場では、今なにが起こっているのか?


次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る