1019 届けられた受験専用の最終兵器

 約束でデートをすると言っても『デートする環境に成らなければデートに成らない』っと言う法則を崇秀に説明された眞子。

その方法とは、人間心理を使ったエグイやり方だったのだが……眞子は納得せざるを得なかった。


そして、その話が終わった後。


***


「あぁそうだ、そうだ。そう言えばよぉ眞子」

「うん?」

「さっきの話をあれで終わりなんだがな。オマエに文化祭の日に頼まれてた『ブツ』が昨日、漸く、届いたぞ。なんに使うのかは知らねぇが、ホント、厄介な物を頼んでくれたもんだな」

「えっ!!アレが届いたんだ!!」


マジデスカ。

まさか、この受験の話をしてたタイミングで、対真琴ちゃん受験専用の最終兵器が届くとは思ってもみなかったですよ。


もっと入手に時間が掛かるものだと思ってたから、これはなんとも僥倖な話ですね。

……っと、大手を振って喜びたい所なんだけど。

これがこんなにも早く届いちゃった以上、1つだけ問題が……



「……あぁでも、代金はどうしたの?高かったでしょ」

「値段だと?あぁそれなら別に気にしなくて良いぞ」

「へっ?」

「つぅか、やるよ。まぁ、流石にオマエも無料ってのも気が引けるだろうから、正月の初詣に行く事が条件だけどな」


いや、幾らなんでも、そんな条件だけじゃちょっとマズイじゃないかなぁ。

第一、あれ程入手困難だと思われたものを、こんなに早く手に入れてくれた上に、それを条件付きだとは言え無料で渡されたんじゃ……ねぇ。

しかも、その出された条件が『崇秀と一緒に初詣に一緒に行く』じゃ、私が嬉しいだけで、崇秀には何のメリットもない様な気がするんですけど……


元々このブツを、無理を言ってまで崇秀に頼んだのは私なんだから、流石にねぇ……その条件じゃ気が引けますです。



「えぇ、ダメだよ、ダメだよ。そんなんじゃ、崇秀の割りが全然合ってないじゃん。大損じゃん。だから、ちゃんとローン組んでよ。そりゃあ、私じゃ少しづつしか返せないけど、頑張って返済して行くからさぁ」

「良いからよ。……それによぉ。これ自体もオマエがライブで使うんだろ。だったら尚更、気にしなくて良い。但し、今まで以上に初詣は綺麗にして来いよ」


あぁっと、そこに関しては、結果的には、そうなる予定なんだけど。

当初の目的は、私がライブで使うのではなく。

さっきも言った様に「真琴ちゃんの受験の最終兵器」として使おうと思ってるんで、ちょっと最初だけは用途が違うんだけどね。


崇秀、ひょっとして気付いてないのかな?


まぁでも、結論的には、私がライブでバンバン使う事になるだろうし。

金銭的な話にしたって、ローンを組んで貰えないなら、あれを使ってGUILDに還元させて貰えば良いか。


少々自分に都合のいい解釈だけど、崇秀は言い出したら聞かないしね。

この出された条件を自分なりに解釈して、それで崇秀にメリットが出る様にすれば良いかな。


あっ、因みになんですがね。

初詣に行く際に「今まで以上に綺麗にして来い」に関しましては、言われるまでもなくそうするつもりでしたよ♪


崇秀と一緒に居られる時間は、常に最高の自分を見て貰いたいからね。



「うん……それは言われなくても頑張るけどさぁ。……でもさぁ。ホントにそんなんで良いの?大損だよ」

「あぁ、遠慮なんかすんな。大体にして、オマエが努力する為の道具なら、そんなもんぐらい安いもんだ。……但し、絶対に、俺に恥じ掻かせんなよ。そこは頼んだぞ眞子」

「あぁ、うん、解ったよ。じゃあもぉ、四の五の言わず頑張るよ」

「そぉ、それで良いんだよ」


……っと言う訳でして。

少し崇秀は勘違いしてるみたいだから気が引けるんだけど。

対真琴ちゃん専用の受験最終兵器が、早くも届いたので、明日からでも実践投入決定しちゃおっかな。


まぁ何故、今日からじゃなく、明日からかと言うとですね……



「あの~~~、崇秀。今日も泊まって行っても良いかな?」

「なに遠慮してやがんだよ。此処は、オマエの家だろ。自由にしろ」

「あぁ、じゃあ、泊まるぅ~~♪」

「なんだかな」


……って訳ですね♪


終わり。


***


―――次回予告。


オ~~~イ、オイオイオイオイオイ!!


なんか最近よぉ。

眞子の出番だけがやけに多くて、折角復帰したオィちゃんの存在がスッカリ忘れられてねぇか?


俺さぁ、今はこうやって昏睡せずに、一応は此処に居るんだけどなぁ……なんか影が薄くねぇか?


そんな訳で、次回は……


『Are you happy-life or unhappy-life?』

「幸せ生活、それとも、不幸せ生活?」


……っを、俺がメインでお送りするぜ!!


俺、再び!!



眞子「諸事情で、少しだけ私も本編には出るんだけどね……」


チッ……結局、また二部制かよ。


やってらんねぇな。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>

これにて第一章・第五十九話【②Two-month and half entrance test war, such as me(②僕等の2ヵ月半受験戦争)】はお仕舞に成るのですが、如何だったでしょうか?


本来ならこの第五十九話は受験の話なので、恋愛の話や、楽器の話、それに人間心理の話を絡めるのは変な話なのかもしれませんが。

実は、受験に於いて一番大事な事って言うのは「メンタルケア」なんですよ。

そして、受験以外で『別の意味での目標を持たす』事が大事だったりするんですね。


妙な話だと感じる方も居られたとは思うのですが。

この『受験生にやる気』さえ出させてしまえば、普通なら自分から勝手に勉強し始めてしまうものですしね。


もっと解り易く言えば『大人が、子供の感情をコントロールする』必要性があるって事です。

馬鹿の1つ憶えみたいに【勉強しろ、勉強しろ】って言った所で、子供が勉強なんてする筈ありませんしね(笑)


さてさて、そんな中。

どうやら崇秀経由で、眞子に『倉津君専用の最終兵器』らしきものが届いたみたいなのですが。

一体、これはなんなんでしょうか?


次回から始まる第一章・第六十話【Are you happy-life or unhappy-life?(幸せ生活、それとも、不幸せ生活?)】を、倉津君と眞子の二元中継でお伝えしていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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