1017 崇秀の自室に入って気になった事
崇秀の家に到着後、少々お互いに対する認識を確認する事には成ったのだが、そこは問題なくクリア。
故に、此処に来た本命である『デートの件』の説明が始まる……筈なのだが(笑)
***
……っで。
崇秀の家に用意して貰ってる私の部屋の箪笥から、新しい下着に履き替えてから、此処で初めて崇秀の部屋に行くんだけど。
凄いね。
ビルの二階部分をぶち抜いて作ってるだけの事はあって、崇秀の部屋の広さが尋常じゃない。
しかも、そこに置かれている本棚の数、及び多種多様な書籍の数が凄い事になってる。
それに、凄いのはそれだけに留まらず。
壁に掛けられたギターの数なんかも凄い事になってる。
多分、私が部屋をグルっと一周見回した限りだけもで、優に40本以上有るんじゃないかな。
しかも、全部が全部、手入れが行き届いているのかして、使用感や傷なんかは有るんだけどピカピカだ。
こう言う面があるから骸のご店主であるジムさんも、崇秀には無条件でギターを売る訳はなんだろうね。
言わば、全てのギターが崇秀にとっては愛機みたいな扱いをしているからこそ、って感じで。
……にしても、小さな楽器屋さんより凄い数だね。
私は、それ等を見ながら、少しの間、崇秀の部屋を散策する。
「ねぇねぇ、崇秀。本題に入る前に、ちょっと質問して良い?」
「んあ?なんだよ?」
「いや、あのね。この部屋にギターって何本ぐらい有るの?」
「ギターの数?あぁ確か46本だったと思うぞ」
「へぇ~~~、そんなにあるんだ。でも、そんなに全部が全部使うもんなの?」
「ふ~~む。まぁそうだなぁ。全部のギターを使ってるのは使ってるんだがな。メインで使ってるのは、Ibanez UV-7。Gibson 61 SGカスタム通称『フラン』。後は、オマエの嫌いなGretsch White Falconってのが使用頻度は高いな」
「ふむふむ」
「後の奴は、ライブの相性で選んだり。作曲専用に使ってる奴なんかが多いな。……つぅか、いつまでも、そんな所でチョロチョロしてないでコタツにでも入ってろ」
あぁそうだね。
私が彼女だとは言え、部屋の中をチョロチョロされると気が散るもんね。
ひょっとしたら、私には表だって見られたくなものがあるかもしれないしね。
それじゃあ、もしそんな物を発見したら悪いので、大人しく部屋にある小さいコタツに入ってますね。
まぁそれはそれとして、凄い拘りだね。
ライブの用途に合わせて使ってるとか、作曲専用のギターとかも有るんだもんね。
曲を作った事の無い私からしたら、これは驚きの事実ですよ。
「ねぇねぇ、でも、そこまでギターの数って必要なモンなの?」
「さぁなぁ。他の奴は知らねぇけどな。曲が降りてきた時に俺は、そのギターが呼んでる気がするんだよな。だから、俺にとっちゃあ全部が必要なギターだな」
「そっか。だから、こんなに必要なんだ……でも、なんか、オカルティックな話だね」
「まぁな。実際は、どれを使っても、そんなに遜色はねぇんだが。メーカーによって微妙な音の違いってのがあるんだよ。だから、そのギターの音色は、そのギターにしか出せないなんて名目があるから、どうしてもギターの本数が溜まる一方なんだよな」
はぁ~、そうかぁ。
根本的な部分からして、私の演奏スタイルとは全然違うんだね。
私なんかステグレちゃん1本でも持て余してる位なのにね。
「ふ~~ん。なんか凄いね」
「いや、別に凄い訳じゃねぇんだよ。こう言うのって、ただ単にイメージに合うか合わねぇかだけの問題だしな」
「じゃあさぁ、崇秀さぁ。UV-7を良く使うじゃん。あれはなんで?なんか理由があるの?」
「あぁ、あれに関しては相性だな」
「相性?」
「そそ。UV-7は7弦有るから重低音が強く出せるし、それに骸で完全にカスタムまでしてあるから色々と都合が良いんだよ。早い話、汎用性が高いから使用頻度が上がる。ただ、それだけのこった」
「そうなんだ。じゃあさぁ、私もそろそろ、本気でベースの数を増やした方が良いのかなぁ?前にも言ったけど、音のバリエーションを増やしたいなぁ、なんて思ってた所だし」
「まぁ、その辺については、なんとも言えねぇな。なんでもそうなんだが、数を持ちゃあ良いって訳じゃねぇし、実際の所は1本でも事足りる。だからその目星をつけた楽器自体に、特別なにかを感じるものがねぇんなら、敢えては増やす必要は無いと思うぞ」
そっか……確かに今現在、私自身が『79 Sting -rayちゃん』に満足しているんだったら、その必要性はないのかぁ。
まぁ本心を言えば、どうしても手に入れたいベースが1本なくはないんだけどね。
あの子だけは、どうしても自分の手元に置いておきたくて仕方がないぐらいだから……
「そっか」
「納得したか?」
「あぁ、うん、納得した」
「んじゃま。そろそろ外で話してた、森田のデートの件を解決させて行ってみっか?」
「あぁ、うん、そうだね、そうだね」
まぁ、まだ色々と楽器の話を聞かせて貰いたい所なんだけど、この辺が潮を時だね。
幾ら崇秀とお話してるのが楽しくても、さっさと森田君とのデートに成った件も解決しないといけないしね。
でも、正直言えば……まだ崇秀と普通の会話をしてたいので、今はそこまで気になってる訳でもないんだけどね(笑)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
森田君とのデートに成った一件の説明をして貰う筈だったのですが。
まぁイキナリ、その話をするのもなんなので、眞子が気を使って『会話のジャブ』をした訳なのですが。
自身の興味がそちらに移ってしまい、本末転倒な結果に(笑)
まぁまぁ、よくある話。
特に眞子は、単純な生き物ですしね。
さてさて、そんな中。
次回こそは、何故、敢えて崇秀が、眞子の言った『買い物→デート』っと言い変えた説明に入って行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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