998 テスト後には個人面談を
受験勉強開始!!
そしていきなり、一教科十五分で五教科の小テストをさせる眞子。
果たして、その結果は?
***
……ってな訳でですね。
みんなが苦悶の表情を浮かべながら、1教科15分で5教科分の小テストがスタートした。
……っで。
15分経って1教科が終わる毎に、私の手元にテストを回収されて来て答え合わせをしていく。
これを5教科繰り返して、今日の小テストを全部を終わらせる。
「どっ、どうだったよ、向井?今回のテストで、俺、合格ラインに乗りそうか?」
そうやって最後の強化の採点が終わった後、早速、山西君が結果を聞いて来てくれたから、今回は、山西君から結果発表をスタートさせるとしましょうかね。
「えぇっとねぇ。ちょっと待ってね。山西君はねぇ。……うんうん。今回も、かなり良い感じになってきてるよ。後は、いつも問題になってる社会の暗記系を、もぉちょっとシッカリやれば、80%位の合格率には成ると思うよ」
「マジで80%!!A判定じゃん!!……あぁ、でもよぉ。結局、毎度の暗記系が足を引っ張ってるのかぁ。俺、あれ、マジで苦手なんだよなぁ」
「あぁそうなの。じゃあ、無理に憶えなくて良いんだよ」
「うん?なんでだよ?これ以上、社会の点数を落したらマズイだろ」
「うん。まぁ落ちないに越した事は無いけど。……でもほら、山西君って、理科と国語が得意だから。その二点で苦手教科である社会のフォローが出来れば、合格率も75%位には成ると思うよ。だから、集中的に得意教科を伸ばすって言うのも1つの手段だと思うよ」
勉強のやり方は、人それぞれの好みがある。
だからまずは、自分にあったやり方を模索するのが一番大事だと思う。
無理に出来無い教科を押し付けても、出来無い物は、なにがあっても早々は出来無いからね。
それになにより、そんな嫌な勉強方法を押し付けたら、余計に苦手教科を意識する様に成っちゃって、成績が伸び悩むだけだからね。
そんなのは『百害有って一利無し』
勉強のコツって言うのは、そう言う風に強制するんじゃなく。
嫌いな教科であっても、それをどうやって『相手に興味を持たせるか』って事に注がれてる。
此処重要ポイントだよ♪
「けどよぉ、向井。その方法の場合、社会が致命的な点数になったらどうすんだよ?」
「あぁまぁ。致命的な点数になるのは流石に不味いけど。そんな風に致命的にさえ成らなければ、ある程度は良いんじゃないかなぁ」
「うん?それ、マジで、どういう事だよ?」
「うん?あぁ、解り難いかぁ。じゃあ例えばね。合格ラインが各教科55点だったとするでしょ」
「あぁ」
「だったら、まずは社会で30点取ったとするよねぇ」
「あぁ」
「じゃあ、その時点で、後の残りは245点。これを、4教科で62点づつ取れば良い訳じゃない。特に、山西君みたいに得意教科が2つ『も』有れば。2教科で70点づつは堅いでしょ。だったら、残りの数学・英語は、平均の55点位を取れば良いって事なんじゃないかなぁ。……ほら、合格点に成ったでしょ」
深く考えて無理な勉強をするより、まずは受験を軽く考えて貰うのが先決。
その上で、可もなく不可もない教科は平均を取ればOKって思って貰えば、比較的、気持ちが楽になる。
……では何故、気楽で良いかと言うとですね。
基本的に、高校受験って言うのは『その学生が絶対に受かる学校』を前提に先生達も考える為、本人が望む志望校から、必ず1ランクから2ランク下げて受験させる事が多い。
更に、これを=関係の置き換えた時、このランクを下げた学校の合格点と言うのは、受験生にとっては無理難題と言うより、実は、簡単に取れちゃう様な点数になるんだよね。
だから、先生方が指定した高校を受験するなら必要以上に緊張する必要もないし、ある程度なら、お気楽でも大丈夫だったりする。
まぁこの辺は、先生方も『生徒全員に受かって欲しい』と言う気持ちと『下手に受験を失敗されても困る』って言う、2つ複雑な気持ちが入り混じってるんだろうけどね。
「けどよぉ向井。そんな上手くいくもんなのか?」
「まぁ、なんと言っても、最終的には、自分の努力次第なんだろうけど。確証に近いものならあるよ」
「なんだよそれ?」
「はい……どうぞ」
「うん?」
そう言って私は、さっきの小テストを、山西君に返却した。
この結果が、彼の1つの自信に繋がれば良いけどね。
「って!!」
「そぉそぉ。実は、そう言う事なんだよね。苦手だと思っていた社会が45点。得意の理科72点。国語が75点。まぁ英語が、ちょっと悪かったんだけど49点。数学が平均の56点。トータル297点。合格ライン22点オーバーで合格なんじゃない?」
「うわっ、うわっ、本当だな!!……あぁ、けどよぉ。社会の45点なんて、俺にしちゃあ出来過ぎだろ。これって、偶々なんじゃねぇのか?」
「うぅん、違うよ。山西君は、自分で社会が嫌いだと思い込み過ぎてるだけだよ」
「いや、思い込み過ぎてるもなにも。現に大嫌いなんだが」
「だから、それが思い込みなんだって」
「なんでだ?嫌いだって本人が言ってるんだから、嫌いなんじゃねぇの?」
うん、話に乗ってきたね。
なら此処からは『噛まず』『詰まらず』止めどなく雄弁に話を進めればOK。
言葉に詰まると、信憑性が一気に薄れるからね。
「うん?仮に嫌いだとしてもね。山西君には、元々それぐらい点数なら、余裕で取れるぐらいの実力は有るんだよね」
「おっ、俺がか?嫌いなのにか?」
「そぉそぉ。……って言うかね。此処は好き嫌いの問題じゃなくてね。基本的なラインの話なの」
「なんだそりゃあ?その基本的なラインとやらが合ってれば、嫌いな教科でも点数が取れるって言うのか?」
「そうだよ。まずね。どの教科にしても、授業を聞いてるだけで、実は約30点ぐらいなら誰にでも簡単に取れる実力はあるもんなのよ。そこに+αの要素として、山西君は、此処数ヶ月に渡って『嫌いな暗記をやろう』と言う前向きな姿勢で努力してきたでしょ。だから、その成果が、こうやってジワリジワリと出て来た訳。言うなれば、今の調子よりも、もぉ少しだけヤル気を出せば。受験の日までに、社会を55点の域に乗せるのだって、そんなに難しくないって事だね。毎日やってれば『合格間違いなし』なんじゃないのかなぁ」
私は褒めて伸ばすのが好き。
元々欠点ばっかりだった私は、貶されるのが、凄く苦手なんだよね。
貶されるのって、みんなの前で馬鹿にされてるのが丸解りだから凄く惨めだしね。
だからこそ私は、人の欠点には、あまり触れない。
それでいて、少しでも結果が良ければ、そこをドンドンと褒めて伸ばす。
褒められて嫌な人間って言うの稀にしか居ないから、こうする事によって、惰性であれ勉強してさえくれれば、少しづつ点数が上がる。
そうして、また褒める。
要は、点数を取れたと言う『自信を持って貰う事』が大事なんだよね。
それだけで、気持ち良く勉強が出来るからね。
勿論『慢心』だけはさせちゃダメだけどね。
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
勉強で大切な事って、まずは勉強をする態勢を作ってあげる事が一番大事でしてね。
受験生にこの態勢を作らずに、ただただ強制してるだけじゃあ成績なんて上がらないんですよ。
仮に上がったとしても、その知識を知恵に変える事が出来ず。
受験が終わったら綺麗サッパリ忘れ去っちゃう可能性が高いですしね。
折角、好きでもない勉強を頑張ってしたのに、これじゃあ余りにも非効率だし、意味もない。
正直、嫌いなら嫌いで、一回で覚えてしまう様な指導の仕方をしないとダメなんですよね。
さてさて、そんな思いの中、山西君に対する面談が続いて行く訳なのですが。
次回は、更に此処を深掘りしていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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