997 受験勉強と言えど、ただ勉強すれば良い訳ではない

 少人数制での勉強をする為の場所を、ウッチーの実家の喫茶店の一部を借りれた一行。

当然、眞子は感謝の念を込めて、ウッチーパパに丁寧な挨拶をするのだが……これ、結構重要だったりする。


***


 ……っと。

まぁ、なにかをウッチーパパに言われた様な気はするけど……取り敢えず、敢えて、そこはスルーして、ウッチー達が座っている店の端の席に向かって行く。


因みにですね。

本日の勉強メンバーは……


場所を提供してくれたウッチー事、内田雪子……第一志望:公立川崎仲野高校(偏差値49)

ウッチーの友達のマッキー事、牧田霧絵……第一志望:公立川崎仲野高校(偏差値49)

同じくウッチーの友達の宮ちゃん事、宮内智奈……第一志望:公立川崎仲野高校(偏差値49)


どうやら仲良し3人組は、高校でも仲良く行きたいのか、同じ高校を目指してる様だね。


そんで他には。

坂田三太……第一志望:私立中州口高等学校(偏差値40)

山西高貴……第一志望:公立多言高等学校(偏差値36)

阿藤鳴子……第一志望:公立逗子商業高校(偏差値45)

若林緑子……第一志望:私立バステスト女子学園(偏差値43)

この面子は、1度私が教室でバイオレンスな方向に行った原因になった人達だね。


&意地悪眞子に、最初に声を掛けてくれた。

森田和夫……第一志望:私立九頭竜高校(偏差値56)

(因みですがね。偏差値は私が考える偏差値ね。正規じゃないよ)


偏差値56の学校を狙ってるって事は、意外と頭が良い。


でも、教室内では影は薄い。


此処でも影は薄い。


……っと言ったメンバーが、今日は此処に集まって居る訳ですね。


まぁまぁ、この他のクラスメイトの人達にも、先刻言った通り、毎日、日替わりで勉強を見るシステムを取ってるんだけど。

今のところ、少人数制システムが上手く稼動している様で、全体的には合格に向って順調に進んでる感じなんですよね。



「あぁ、ごめんね」

「もぉ、向井さん。イチイチお父さんの相手とかしなくて良いからさぁ。どこまで律儀なのよ」

「まぁ、そうなんだろうけどさぁ。折角、こうやって場所を提供して貰ってるんだから、なにも挨拶しない訳にも……」

「ホント、向井さんって律儀だよねぇ」


律儀と言うか……そう言うのって、実際は、結構、極々当たり前の話なんだけどなぁ。

幾ら未成年で中学生と言えども、人様の家に来てロクに挨拶もせずに、その場に厚かましく居たんじゃ『印象悪くない』?


人間関係でイメージって大事だよ。

特に女の子は、その辺のイメージを大切にした方が良いよ。


だからさぁ。

早くから、こう言う一般的な礼儀は、ちゃんと身に付けといた方が良いと思うよ。

これを外したら、将来、嫌な思いも一杯すると思うしね。


今の内に習慣付けて置いて損は無いと思うよ。


ホント……苦労するよ。



「まぁ、良いじゃん。挨拶する事は良い事なんだからよ。悪い事してる訳じゃないんだから、内田が向井を責めるのはおかしいだろ」

「そうだな。礼儀を弁えているんだから、寧ろ、良い事だと思えるぞ」

「そうそう、それに雪子のお父さんって良い感じだしね」


そう言う事です。

挨拶の大切さを解ってるみたいだから、もっと実践し様ね。


解っていても、照れて行動に移せない様じゃあ、人からの好感度なんてものは稼げませんよ。



「うっ、別に、ウチのお父さん良い感じじゃないし。至って普通なんだけど。……ってかさぁ!!もぉそんな事どうでも良いじゃん!!勉強始めようよ勉強!!」


この様子じゃあウッチーは、また照れてるんだろうね。


本当は……お父さんを褒められて嬉しいくせにさぁ。

素直じゃないんだから。



「そうだね。じゃあ、早速なんだけど。今日は、学校別の模擬テストでもやろうか」

「おっ!!出たなぁ。向井特製の各校別の模擬テスト」

「ふふっ、なにそれ?別に特製じゃないし。赤本とかから、傾向と対策を問題にしてるだけだし」


そぉなんだよね。

これが最近私が一番嵌ってる、自分の勉強以外の『別の勉強』って奴なんだけどね。

各高校の傾向と対策を自分也に考えて、学校での午後の授業中に簡単なテストを作ってるんだよね。


まぁまぁ、最初はそんな風に気楽な気持ちで始めたんだけど。

これが、やってみるとね……この問題作りって言うのが、意外な程に面白いのよ。

高校の偏差値による問題のランクとかも有るし、各高校の先生の問題の癖なんかも段々見えてくる。

更に言えば、これをしてるだけで、同時に、中学での勉強の復習作業にもなる訳だしね。


まぁまぁ、そんな感じで、兎に角、面白いから、今はこのテスト作りに結構ズッポリ嵌ってる訳。


此処でちょっとだけ、現役東大生で、問題を作るのが好きな『椿さんの気持ち』が解った様な気もした。


……まぁそうは言ってもね。

椿さんが作ってくれた40分フルに使う様な『本格的なテスト』じゃなくて、15分位でサラサラって余裕で解ける様に作った『小テスト』なんだけどね。


……そんな各高校別のテスト用紙を、みんなに渡して行く。



「あぁ、じゃあね。1教科15分の5分休憩。5教科で、全て終わらせて95分。まずは現国から始めて下さ~い。じゃあスタートね」

「「「「「「「は~い」」」」」」」


良い返事です。



「うへぇ~~~、なんじゃこりゃあ?相変わらず、向井の問題は難しいなぁ」


難しくないから……


それと、テスト中の私語は慎む様に……黙ってやりなさい。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


さて、勉強開始と共に、まずは5教科小テストで、現状での実力の程を確かめに来ましたね。


まぁ本来なら、この辺は眞子も十分な程に理解している所なんで、そこまで書く必要はなかった部分なのですが。

これは眞子が解っていても、読んで下さってる皆様には伝わっていない部分なので、誰がどの程度の評価なのかを知って貰う為に、この小テストを採用させて頂きましたぁ♪


さてさて、そんな感じで始まった小テストなんですが。

結果は如何なるものになるのか?


次回は、その辺を踏まえて書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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