第3話 見つかった死体

 業者が入ってから、3日ほどが経ってからであろうか。

「ぎゃー」

 という悲鳴が聞こえてきたのを聞いたのは、校長だけではなく、教室で授業を受けていた生徒はもちろん、教員室の先生にも聞こえたことだろう。校長が、

「何事だ」

 といって駆けつけた時には、すでに人だかりができていた。

 そこに、業者の人が腰を抜かしたようにうずくまっている。

「何があったんですか?」

 と人だかりを押しのける形で中に入った校長を見上げる形で業者の人が、

「何でこんなものが、早く警察を」

 といって、奥のまだ雑草の残った付近を、震える手で、指さしたのだった。

「どうしたんですか?」

 と言いながら、校長が、茂みを覗き込むと、

「ぎょっ」

 と、今度は息を呑みこむようにして、悲鳴とも思えない声を挙げた。

 大きな声で叫ぶよりも、こっちの方がむしろ、恐ろしいものなのかも知れない。

「け、警察を」

 と、その様子は、雰囲気こそ違えども、腰を抜かして震えている業者の人と変わりはなかった。

 それを聞いた教頭はビックリして、警察に電話を掛ける。その時校長は、

「殺人事件だ」

 というと、その場にいた生徒は一斉に後ずさりをした。

「きゃっ」

 という声が女の子から聞こえたが、時間が経っているだけに、ショックが大きかったのは、間違いなく最初に見た業者の男性だったのだ。

「何か怖いものがある」

 ということが分かって見る場合は、それなりい覚悟ができているからであろう。

 通報を聞いた警察は、K警察から、数名やってきた。刑事、さらに警官、そして鑑識である。

 すぐに、捜査の線が敷かれて、生徒はその外に追いやられた。

 発見者である業者の人と、学校の責任者である校長は、別の場所で待機させられていたのは、いうまでもないことだったのだ。

 さすがにパトカーのサイレンを聞きつけた野次馬がやってきた。

 何しろ、

「子供を預かる立場である学校」

 というところにけたたましいサイレンの音、警察のパトカーがくるのは、尋常なことではない。

「何があったんだ?」

 と、膨れ上がる野次馬、それを押しのけようとする制服警官。

 ドラマなどで、よく見かける光景であった。

 刑事が二人しゃがみこみ、引き出された死体の方を見たり、校長の顔を見たりしていたが、校長を呼ぶと、

「この方に見覚えはありますか?」

 と言われ、

「はい」

 と言ったことで、まわりは凍り付いたかのような空気に包まれたのだ。

 死体はうつ伏せになっていた。そしてかなり汚れているのだが、その様子は、少し腐敗しているかのようにも見えた。

 転がっている死体を見ると、最初は顔が確認できなかった。しかし、刑事がハンカチのようなもので泥を落としていくと、校長にはそれが誰だか、すぐに分かったのだ。

 だが、他の人たちは、気持ち悪さからか、視線を直視できない。校長も本当であればそうなのだろうが、自分が責任者だという自負もあってか、見逃すわけにはいかなかったのだ。

「校長。これは誰ですか?」

 と刑事に聴かれて、

「鮫島さんです」

 と、答えると、その後ろから一人の生徒の声で、

「えっ」

 という声が聞こえてきたのだ。

 刑事もそれが気になってか。

「君は、何か気になることがあるのかい?」

 と聞かれたその女生徒は、

「いいえ、別に」

 とバツが悪そうに答えたのだった。

 刑事は、それを放っておいて、話を元に戻すかのように、校長に向かって、

「この人は一体、どういう人なんですか?」

 と聞くと、

「ええっと、用務員をしていただいた人です」

 と、校長は正直に答えた。

 すると刑事は、鑑識を呼んで、鑑識にひそひそ話で何かを確認していたが、

「実はだね。この死体は、死後、一か月以上は経過しているということなんだよ。いくら用務員さんとはいえ、校長先生であれば、用務員の人がいなくなったりすれば、気が付きそうなものだけど、そのあたりはどうだったんですか?」

 と聞かれた。

 すると校長は、

「この鮫島さんという用務員は、実は、今から三か月前に退職いただいたんですよ」

 というではないか。

「退職の理由は?」

 と聞かれたので、まわりの生徒に聞かれるのがまずいと思ったのか、まごまごしていると、その様子を不審に感じた刑事が、

「ちょっと、こちらにきていただきましょう」

 といって、奥の方に連れていった。

 その間に、もう一人の刑事が教頭を促すように、この場の野次馬を退散させるよう、指示していたのだ。

 教頭の鶴の一声で、生徒たちは、一斉に教室に帰っていく。中には後ろ髪を引かれる気持ちだった人もいるだろう。

 先ほど奇声を上げた女の子も、相当後ろ髪を引かれているようだった。

「ところで、先ほどの話なんですが」

 と校長に聞くと、

「ああ、理由としてはよくあることなんですが、さすがに生徒たちの前では」

 というのを聞くと、刑事も分かったかのような顔になったが、

「このご時世ですから、何といいますか」

 と校長がまだ煮え切らないでいると、

「リストラということですね?」

 と言われた。

 校長もさすがにそこまで言われては、覚悟を決めるしかなく、

「ええ、そうです。学校側というよりも、理事長から、リストラ候補の提出を求められた時、まだ用務員のような仕事をする人がいるのかと言われまして、真っ先にリストラになったというわけです」

 と校長がいうと、

「なるほど、そういうことですね。確かに、リストラ対象になるのも無理はないような気がしますね。鮫島さんというのは、長かったですか?」

 と聞かれて、

「ええ、結構長かったと聞いています。私も転々としている立場ですので、実際にどれくらいだったのか分かりませんが、20年以上はいるものだと認識しています」

 と言った。

「だとしたら、結構長くお勤めだったので、本人からの反発はなかったですか?」

 と聞かれて、

「ショックではあったと思いますが。そんなに抗うようなことはありませんでした。円満退社というところまでは行きませんでしたが、学校側から、退職金はそれなりに弾んだのだと思います」

 と、校長は、そう答えながら、

「この刑事、我々を疑っているな?」

 と感じた。

 となると、

「校長である自分だけではなく、近いうちに理事長のところにも行くことになるだろう」

 と感じた。

 理事長が何をいうか分からないが、校長は、理事長に警察の疑っているらしいことを忠告するつもりはなかった。

 正直、ここの理事長の考え方に、賛成する気持ちになれないのも事実で、

「いずれ、こんな事件が起こるのではないか?」

 と思っていたのだ。

 だから、刑事に突き詰められた時、理事長の名前を惜しむことなく話したのだ。

「警察が調べればどうせ分かることだ。俺が、別に理事長に気を遣って。忖度なんかする必要はないんだ」

 と考えていたのだった。

「ところで校長。退職はいつだったんですか?」

 と聞かれて、

「確か、三か月くらい前だったと思います」

 と答えた。

 すると、刑事が、

「うーん」

 と唸った。

 驚いた校長は、

「どうしたんですか?」

 と聞くと、

「いえね。それであれば、おかしくはないですか?」

 と言い出し、校長が少し訝しがっていると、それには構わずに、話を続けた。

「鮫島さんは、この学校を三か月前に退職したわけですよね? だとすると、どうしてここで死体が発見されることになるんでしょう? 何か忘れ物があって、思い立って取りに来たなんてそんなうまい話しもあるわけはないですからね。ということは、誰かに呼び出されたか。誰かを呼び出したか。それも相手は、この学校の人ということになりますよね?」

 というではないか。

「なるほど、その通りだ」

 と思ったが、さすがに校長の立場で、しかも、まだ何も分かっていない今の状況で、

「学校の人間を疑う」

 ということは、学校の代表者としてはできないことだった。

 しかも、そんなことになれば、非常に厄介である。世間からは変な目で見られることになるのであるし、何よりも、校長である自分がジレンマに陥ることになってしまう。

 そんなことになってほしくないわけなので、その願いも込めて、

「学校の人間を疑うというのは」

 ということを考えて、それ以上、刑事に口を出す気にはなれなかった。

 刑事も、そんな校長の気持ちを知ってか知らずか、職務としては、

「聞かなければいけないことは聞くしかない」

 ということであり、ただ、

「必要以上に、相手を警戒させると、せっかくの証言を得ることができなくなってしまう」

 と思い、聴く内容は、

「差しさわりのないこと」

 にするしかなかったのだ。

 とりあえずは、この刑事が校長に尋問している間、他の先生にも質問が及んでいることだろう。

 さらに、鑑識が、死体の検分を行っていて、死体のあたりのものを、隙間を残すことなく調べているところであろう。

「それにしても、校長先生。誰も鮫島さんがいなくなったことで騒いでいないということは、すでに学校をやめた後にいなくなったということなんでしょうね?」

 と言われて校長は、

「そうだと思います。そうでないと、我々も警察に相談に行ったりしますからね。でも、警察では、鮫島さんの捜索願でも出ていなかったですかね?」

 と、逆に聞いてみた。

「それは、調べてみないと分かりませんね。もし、捜索願を出されていたとしても、そこに事件性などがなければ、基本警察では、優先順位は低いんですよ。普通の失踪であれば、わざわざ、捜索に動くということはないんですよ」

 というのだった。

 校長の方も、一般的な話として、それは知っていた。詳細な数字までは分からないが、年間どれくらいの失踪者、あるいは失踪届が出ていて、それが一日にどれくらいなのか、かなりの数であることは、何となく分かっている。それをすべて、漏れなく捜査していては、本当の事件で身動きが取れなかったりすると、大変だということになるのであろう。

 それを考えると、刑事の言っていることに信憑性があり、それは仕方のないことだといえるだろう。

「ということは、鮫島さんが行方不明になっていて、捜索願は出ているが、実際に捜査できていなくて、結果、死体となって発見されたというわけですね?」

 と校長がいうと、

「その可能性は高いということですね。ちなみに、校長先生は、亡くなった鮫島さんのご家族とは面識がありますか?」

 と聞かれ、

「いいえ、まったく知らないですね。鮫島さんはここで仕事をしている時は、住み込みでしたから、家もないんだと思っていました。それを考えると、家族もおらず、一人暮らしをしていて、捜索願も出ていたかどうか、怪しいものだと思います」

 と校長がいうと、

「じゃあ、鮫島さんの口から、家族のことを伺ったことはないんですね?」

「ええ、家族の話題になることはありませんでしたからね」

 と答えた。

「校長は、鮫島さんとは親しかったんですか?」

「そうですね、どちらかというと親しかったと思います。あまり共通の話題があったわけではないのですが、私は鮫島さんと話をすると、気が楽になったというか、学校関係者の人に言えないようなストレスが溜まるようなものを、吐き出せる相手というか、そういう意味では気楽でした」

 と、校長は答えた。

「じゃあ、鮫島さんの方から、校長にいろいろ打ち明けられたこととかは?」

「普通にあったと思いますよ。でも、あの人は大人だったというか、相手に気を遣わせない会話ができる人だったので、そういう意味で、私も気楽に話せました。だから、もし、あの人が何かストレスの発散のようなことを言ったとしても、聴いている方に、そうとは思わせないものがあったと思っていますね」

 というのであった。

「ということであれば、鮫島さんは、校長先生以外とも、結構会話をされる方だったんでしょうか?」

 と刑事が聞くと、

「それは分かりませんね。ほとんど目立たなくて、意識してだと思うんですが、どこか影に徹しているところがあるような感じがするんです。だから、鮫島さんとは話をしていても、暗い雰囲気になることはなかったんですが、だからと言って、明るかったかというとそうでもなかったですね、声を出して笑うとかいうような会話になったことはなかったと記憶しています」

 と校長がいうので、

「じゃあ、その中に家族の話題はなかったと?」

「ええ、ありませんでした。見ていても、家族と縁があるようには見えませんでしたからね。家族がいたりして、そちらにいるのであれば、何も住み込みにする必要などありませんからね。通いで十分なんですからね。それに、あの人は結構いろいろなことを知っていた。とても用務員をするような人には見えなかったんですよ。これは教職に携わるものの勘のようなものなんですが、どこか、あの人は、先生っぽさがあったんですよ。昔、教師でもしていたのではないかと、私は勝手に想像を膨らませていましたね」

 という校長の話を、

「うんうん」

 と頷きながら聴いていた刑事だったが、老人で用務員をしているような人は、皆何か、人に言えないものを持っているような気がしてならなかったのだ。

 そんな老人が、殺されたのだ。

「そうだ、殺人というのは間違いなあいんでしょうね?」

 といまさらではあったが、校長が訊ねた。

「ええ、それは間違いありません。峰を抉られているようですし、何よりも、土の中に埋まっていましたからね」

 と刑事がいう。

「業者の人が掘り起こしたんでしょうか?」

 と聞くと、

「いや、犬が掘り起こしたものかも知れませんね。半分指のようなものが見えていたので、業者がビックリして掘り起こしたのだということでした」

「そうですか、業者の人には、このあたりも雑草を除去して、庭を手入れしなおしてくれるという依頼だったからですね。このご時世、どこの学校も、登校してくることもないので、庭が荒れ放題なんですよ。だから、我々も業者に依頼した時は、すでに2カ月待たされましたからね」

 と校長は言った。

 それを聞いて刑事は、

「ん? ということは、少し話が変わってきますね?」

 と言い始めた。

 校長が、

「どういうことですか?」

 と聞くと、

「分かりませんか?」

 と聞かれても、校長は頭を傾げるばかり。

「つまりですね。もし、その時遅延なく、ここで作業ができていたら、被害者の死体はことはなかったかも知れないですよね。きれいに整備されたところになっているからですね? でも、逆に荒れ放題のところであっても、いずれは、きれいにすることもあるだろうから、ここに埋めても、いずれは見つかるわけですよ。それを思うと、犯人は、見つかることはしょうがないとしても、早く見つかっては困る何かがあったのかも知れないですね」

 と刑事が言った。

 なるほど、確かに刑事のいう通りである。

 ただ、ここで校長が感じているのは、この犯人の思惑だった。

「この犯人は、なぜ、ここに死体を隠したのだろう?」

 もし、学校関係者であれば、校長である私の性格からして、ここの整備を依頼することは分かっていたはずだ。何しろ2か月前に依頼を掛けた時は、教員全員には、その旨を話しているからである。

 だとすると、ここを整備する際に、死体が発見される可能性がないわけではない。何と言っても、学校という場所であって、本当の雑木林や山の中ではない。

「やっぱり、犯人にとって、死体が発見されることは、そんなに問題ではなかったということだろうか? 以外と刑事の言っていることも、的を得ているのかも知れないな」

 と思ったのだった。

 ただ、それでも、いつまで発見されなければ犯人にとってよかったというのだろう?

 そもそも、今回のような、

「死後二カ月」

 というほどの期間が、長いのか? 短いのか? 校長にとっては、まったく見当もつかないことだった。

 ただ、一つ感じているのは、

「死体が発見されて、センセーショナルな話題となるのは、学校からの方だろうな」

 ということであった。

 誰も立ち入らないような山の中から、例えば、災害球の大雨などによって、地盤が緩み、山の斜面が崩れたりなんかして、その下から白骨死体が現れる。

 というような話はたまに聞いたことがあるのだが、それは、完全に白骨化したものが多い。

 何といっても、水でドロドロになったものだから、白骨のように白いものでないと目立たないだろう。

 しかし、学校の裏庭ともなると、皆が注目する。しかも、場所が山の中のような公共の場所ではなく、学校という施設の土地の中である。

 埋めるとしても、人の目が気になるところであるが、このご時世。当時は、学校閉鎖があった中でのことではないか、

「休業要請を受けた店が、よく空き巣に遭っているという話を、ニュースでよく話していて、それが社会問題になっているのと同じではないか?」

 と校長は感じていた。

 そんなことを校長が考えていると、

「一つ気になることがあるんですけどね」

 と刑事が言った。

「何でしょう?」

 と校長が興味深げに探るように刑事の顔を下から覗き込むような気持ちになっていた。

 それを意識してなのか、刑事は少しもったえぶったかのようにして、

「このあたりに、防犯カメラというのはあるんですか?」

 と聞かれて、

「ありますよ」

 と答えた時、校長は、

「そうか、防犯カメラに何か映っているかも知れない。さすが刑事だ」

 と思ったが、それは一瞬で、すぐに、そう思った自分が浅はかであったことに気づいた。

 その様子を見て刑事も、校長の表情の変化を見ながら、なぜかニコニコとして、

「校長先生も気づきましたよね?」

 と、刑事はいい。さらに続けた。

「今私が聞きたかったことを、校長先生はその表情で示してくれたんだって思っていますよ」

 というではないか。

 ということは、この答えを期待して、刑事は含ませたような質問をしたということであろうか?

 それを思うと、

「さすが、刑事さんだ」

 と、感心させられたのだった。

「いえね、私も最初、防犯カメラがあれば、何かが映っているかも知れないと思ったんですよ。でも、よくよく考えたら、防犯カメラというのは、四六時中と撮影しているものではないですか。だから、映像の記録が残っているとしても、一週間やそこらが、普通なんですよ。この死体は鑑識の人の話では、一か月近くは経っているということだったので、もうその記録は、普通ならとっくに消えていますよね?」

 と刑事は言った。

「はい、そうですね。ここでも、一週間くらいだったはずです。残っていても10日ほどなので、1か月近く前となると、絶望ですね」

 と言ったのだ。

「ところで一か月くらい前というのは、どんな感じでした。全校生徒や先生は皆、通学されていましたか?」

 と聞かれて、

「その頃はまだ全員が一斉にということはなかったですね。夏休みが終わって、徐々に投稿数の生徒を増やすようなことを、段階的にやりましたので、それで、少しずつ活気が出てきた感じですね。本当はそれまでに、裏庭の整備を行いたかったんですが、何しろ、このご時世、なかなか業者が捕まりませんでした」

 ということを聞いて、

「じゃあ、犯人もそれくらいのことも計算してのことだったのかも知れませんね。いずれは見つかっても構わない。あるいは見つからなければ困るが、そんなに早くても困る。そこに思惑があっての、この場所だったんでしょうかね?」

 と刑事は言った。

 それを聞いて、

「そうですね。そうかも知れないですね」

 と校長がいうと、

「しょうがないので、証言だけを頼りに捜査しましょう。校長先生も何か思い出したら、ご報告ください」

 と刑事は言った。

 だが、刑事は何かを思い出したように、

「ところで、この学校では、庭の整備の業者を呼ぶのは初めてあんですか?」

 と聞いたので、

「ええ、私が知っている限りでは、呼んだことはありません」

 と校長が答えたが、

「じゃあ、誰が今まで整備していたんですか?」

 と聞かれて、

「用務員の鮫島さんです。それも用務員の仕事の一つですからね」

 と校長が答えると。

「なるほど、分かりました。ありがとうございます」

 と、刑事は何か、含み笑いのようなモノを浮かべ、自分が何かのヒントのようなものを手に入れたという感覚を持っていることに気づいたのだった。

 校長も、刑事の含み笑いが分かったが、それが何を意味しているのか、その時には分からなかったのだった。

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