第48話 DBT
「ダイチ様! 大変です! 新しいお知らせが届きました!」
「ふぁ〜。お? 例のお知らせか。って、その前に全裸で乗っかかってるんじゃねえ!」
「あら? 裸ぐらい良いではありませんか」
「スフィア様の言う通りですわ。それより御領主様、例のお知らせとは何の事ですの?」
「領主様。まさかスフィアさんと二人だけの秘密……なんて事はありませんよね?」
「ダイチ殿!? あたしたち全員ならまだしも、二人だけの関係なんて許さないぞ!」
「ん。シルフィも同意」
毎度お馴染み朝っぱらから何故か攻め立てられているが、みんな全裸は勘弁してほしい……。
スフィアのお知らせは気になるが、今は俺の聖剣を大人しくさせなければいけない。
「と、とりあえず全員服を着てくれ……」
◇
【本日12時DBT開催決定!】
ダンジョンマスターの皆様、いつもダンジョンをご利用いただき、誠にありがとうございます。
先日、お知らせ致しましたDBT(ダンジョンバトルトーナメント)ですが、本日12時に開催する事に決定いたしました。
まず始めに、全ダンマス1,048名を548名に絞らせていただきます。
第一回戦はダンジョン防衛戦。
開始時間と同時、各ダンジョンに無数のモンスターが押し寄せます。
見事ダンジョンを守り抜いた者には豪華報酬が与えられますので、奮ってご参加をお願いいたします(強制)
勝利条件:60分間ダンジョンを防衛する事。
敗北条件:ダンジョンコアが破壊される、もしくはダンマスの死亡。
報酬:100万DP。
ご理解、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
〜ダンジョン運営委員会より〜
おい、このふざけたお知らせは一体何なんだ……。
十二時って一時間後じゃねえか。
「あ、あのダイチ様、私はどうすればよろしいのでしょうか……?」
「――そ、そうだな……。残りDPはいくらあるんだ?」
「えと、およそ12万DPですね」
「そうか……ひとまずスフィアはコアルームで待機だな。何かあれば念話を送ってくれ」
「か、かしこまりました!」
とにかく何がなんだか分からないが、一時間後にはモンスターが襲来する。
まずはスフィアを守る事を第一に考えると、コアルームに引きこもってもらうのが得策だ。
敵の強さは分からないが、一時間ダンジョンを守ればいいだけの話だ。
◇
一時間後。
《マスター、侵入者です》
「来たか。プラン、敵は何匹いる?」
《S級の魔物が1,000,000体と断定します》
「ひゃっ!? 百万……さらにオールS級とはな……」
とりあえず拠点を城壁で囲み、拠点内に侵入されない様にしたし、ぶっちゃけアレをすれば解決する。
「プラン、いつものやつをやってくれ」
《承知しました。領域の魔物1,000,000体が住民になりました》
《マスターの拠点住民が50,000名を突破しました》
《拠点レベルが10に上がりました》
《レベルアップボーナスで1,000KP獲得しました》
《マスターの拠点住民が100,000名を突破しました》
《拠点レベルが11に上がりました》
《レベルアップボーナスで1,100KP獲得しました》
《マスターの拠点住民が250,000名を突破しました》
《拠点レベルが12に上がりました》
《レベルアップボーナスで1,200KP獲得しました》
《マスターの拠点住民が500,000名を突破しました》
《拠点レベルが13に上がりました》
《レベルアップボーナスで1,300KP獲得しました》
《マスターの拠点住民が1,000,000名を突破しました》
《拠点レベルが14に上がりました》
《レベルアップボーナスで1,400KP獲得しました》
《一日経過しました。10,115,970KP獲得しました》
拠点:ゾンビの国
LV:14
住民:1,011,597
開拓:<召喚><強化><進化><限界突破>
任務:45
スキル:<念話共有><配置変更><住民鑑定><住民強化>
領域:半径1,500km
KP:10,142,364(1日経過+10,115,970KP)
ゾンビの国だと……?
確かに見た所、完全にバイオハザ…ゾンビの大群だ。
一応、パタパタと空から飛来するドラゴンゾンビもいる。
「「「グオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッ!!!」」」
お、白竜迎撃隊だな。
真っ白な鱗を纏うホワイトドラゴンの群れが、咆哮を上げながらどこからともなくやって来た。
ドロドロの紫っぽいドラゴンゾンビと、対となるホワイトドラゴンの壮絶な空中戦を繰り広げている事で、たまにボトボトと汚い肉片が落ちてくる。
はっきり言ってキモいし汚い。
「「「「「ピュ〜〜〜〜〜〜イッッ!!!」」」」」
おぉーッ! あれがペン銀の群れ……じゃなくてメタル防衛軍か。
はたから見ればゾンビとペンギンが戯れている様にしか見えないが、バタバタ倒している所を見ると、ちゃんと戦ってくれている様だ(高速ビンタとドロップキックで)
おっと、見物している場合じゃなかった。
城の自動迎撃システムも発動して食い止めてくれている間に鑑定しておくか。
名前:マッスルゾンビ
LV:88
忠誠:無
適職:無し
称号:S級の魔物
名前:ドラゴンゾンビ
LV:90
忠誠:無
適職:無し
称号:S級の魔物
いやいや強すぎるだろ!?
確かにゾンビの癖にやたらマッチョ体型ではあるが、世界最強の竜人族を軽く越えるレベルだぞ……。
それでもペン銀たちの方が強いのは不思議だが。
あの子たちも鑑定しておくか。
《マスター、メタル防衛軍と白竜迎撃隊は住民ではないため鑑定できません。ただしレベル100相当の実力を持っていると断定します》
「へ……? 何それ……」
ペン銀たち超強え……うん、もう無敵だ。
ひとまずはモンスターに念話を送って待機状態にする。
《マスター、ゾンビ系は意思を持たないため念話でも言う事を聞きません》
あらま。せっかく念話で棒立ちにさせてボコボコにする俺の作戦が通じないという事か。
ま、このままペン銀と白竜が戦っているのを見物しているだけで終わりなんだが、何ともスッキリしないし、アイルとルナリス率いる魔法隊も頑張っている事だし、俺も新必殺技を披露するか。
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