普通の人間フィルター

 タイトルの通り普通の人間のフィルター。具体的にどういうものか想像がつくのだろうか。似たようなタイプならわかるのかもしれない。要するに「面接」の事。自分がありのままに答えるだけで当然のようにNOが突きつけられる。訳あってというのもおかしなくらい、こんな内容の話を書き連ねる時点でわかるだろうが、障害者雇用枠での話。最初から何かしらのハンデがある事を向こうは承知の上ではある。ただ、自分が感じた事で言えば、明らかに普通の人間が採用されるというもの。ここで言う普通の人間、いや、この場面に限られもしない。あらゆる場面で。自分が思うのはマインドが普通の人間と同じかどうか。ただそれだけ。そこから逆算すれば、身体的な障害者が自分にとってはそこに障害が存在しない普通の人間に見えてしまう。精神的な障害でさえも、それまで問題なく生きる事ができ、労働の上で発症したのであればこれもまた普通の人間に見えてしまう。


 面接というと一般的に苦手とする人も多いのかもしれない。自分からすればまず得意・不得意、できる・できない、それ以前の問題として自己紹介が苦痛である。目の前の恐らく普通の人間に対して、自分が普通でない事が明らかになっていくからだろうか。話す前から既に相手の期待するものからかけ離れている事が予想でき、採用の面接の場であれば当然マイナスであり、相当の苦痛が伴う。面接の練習だとか対策とかそういう感覚が理解できない。ウソならつけないし、何かを演じることもできないのだから。何なら働きたいのかから始まり、仮にフィルターを無理に通れば、当然それを通過した自分を求められる事になる。そこまでして働きたいのか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る