黒いカーテン
ラッキー平山
黒いカーテン
息を絞め殺した
ひまわりの花が咲いた
言葉を焼き殺した
朝顔の花は夕顔まで生き延びた
そして街中にあかりがぽつぽつ灯るころ
ぼくは下半身を失って道路になった
それも坂
のぼりだかくだりだかわからず
同時にどちらでもある
そんな矛盾だらけの坂に
ぼくは溶け込み広がって
行きかうタイヤや人々の靴に
何度も別れのキスをする
愛は指のあいだから
ぼろぼろこぼれ落ちる
それだけの代物
水と同じで誰もつかめず
てのひらに残る水滴で我慢する
心を泣いた赤鬼にした
涙乾けば真っ青になった
まるでバレてしまったよ
かのように、こんなにも
まるでになって
わかった もう口をつぐむ
代わりに鳥の声がうるさいのは
仕方がない 仕方がないことなんです
ついに別れのときは来た
大好きな君がやってきたからね
君にだけはキスもハグもコクリもしない
コクリとも動かない
死のような夕闇が引かれる
裂け目ばかりで部屋にやたらに
闇が差し込む黒いカーテンのように
黒いカーテン ラッキー平山 @yaminokaz
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