第2話 スラム〇ンクの映画に、負けるな!みたらし団子をバーベキューして食って、生徒会と戦え!SNSな「知ったかぶり」にも、負けるんじゃないぞ!

 バスケの人気急上昇におびえる、生徒会。

 「どうして、こんなにも、バスケの人気が高まるんだ!」

 「生徒会の人気は、ないのに?」

 「それを言っちゃあ、ダメだろ」

 「生徒会長?やっぱり、スラム○ンクの映画がヒットした影響でしょうか?」

 「わからん!」

 「生徒会長?体育館が占領されて、他の部からクレームがくるようになりましたよね?」

 「生徒会長?部費を増やせと、バスケ部から会計係に、おしかりモードです」

 「だろうな…」

 「生徒会の予算が、なくなっていきそうですねえ」

 「冷静に、言うな!」

 「あ、そうだ」

 「どうした!」

 「シズヤ君を、呼びましょう」

 「シズヤ?」

 「ほら…生徒会長?」

 「え?」

 「この前バスケ部を辞めた、元、スターの同級生ですよ」

 「ああ…あいつか」

 「使えませんか?」

 「そうか!あいつなら、バスケ部の人気の秘密を調査してくれそうだ。バスケ部に、顔も利くだろうし」

 そのころ、バスケ部では、バスケとは関係のないようなあるうわさが広まっていた。

 うわさの出所は、SNS。

 「知ったかぶりをしては、いけない」

 バスケ部の部員たちが、おびえはじめる。

 「知ったかぶりは、闇夜の扉」

 「言いくるめられると、ちがう自分自身が作られてしまうかららしい」

 「だから気を付けろっていう意味、だろうよ」

 「…はあ?ちがう自分自身?」

 彼、シズヤも、おびえはじめる。

 「知ったかぶり」

 そもそもそれは、きちんと知っているわけでもないのに、「ああ、それ。知っているけど?」みたいな顔で返してしまうことだ。

 たとえば…。

 「ダンク」も、かんちがいと知ったかぶりの元。

 「ダンクシュートの、ダンク?知ってる、知ってる。それって、手で、直に、ゴールにボールをたたき込むっていう意味の言葉だよな?」

 ブ、ブー。

 ちがいます。

 …それはともかく、だ!

 彼はまた、バスケ部員たちから新しいうわさ話を聞かされることになる。

 「どこかの高校から、うちの高校のバスケ部を見に、だれかがやってくるらしい」

 それほど怖くない、うわさ話。

 「シズヤ?」

 「何?」

 「ヤンザイっていう、他校の先生が、うちの部を見にくるらしいよ?」

 「何、そのうわさ?」

 「高校のバスケ部から、くるんだってさ」

 「ふうん」

 「気になるだろ?」

 「その先生がくるのって、いつ?」

 「そこまでは、わからん」

 「…ヤンザイ?ヤンザイ?ヤンザイ…?」

 「何だ。どうしたんだよ、シズヤ?」

 「まさか、あの先生じゃないだろうな!」

 そのとき彼の脳裏に浮かんだのは、いつかに、ネットの動画配信で見た人!あの伝説のセリフ、「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」を言っていた、あごたぷたぷな、メタボなヒゲ先生だった。

 「あの先生に、会えるのか…?こんな奇跡って、あるか?」

 ドキドキしすぎてか、彼は、おかしくなってきていた。

 「あの先生が、やってくる!いつかは、わからないが…」

 そう聞き、高校の近所にある河原に、向かっていた。

 足が勝手に動いたのだから、しかたない。

 「 1人みたらしバーベキューを、しよう」

 火を使った、不良な、彼なりのストレス解消法。

 「みたらし団子って、焼くと、意外に上手いんだなあ…。あんなものを焼いて上手いわけがないだろうと、言ったことがあったな。それって、知ったかぶりだったな。知ったかぶりには、気をつけよう」

 思わず、口に出してしまう。

 そうしたら…。

 あ、あ!

 今のひとりごとが、召喚魔法にでもなっていたのか?





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