いい話だ~。「泣かないで、生き方を変えていけ!」あきらめたら、試合終了だから!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 シズヤは、負けない。医者に何を言われようとも、生き方を変えて、バスケに向きあっていくんだ!その気持ちが、奇跡を呼ぶんだよ。

 バスケの人気が、上げった。

 「ほら、アレ!良い映画、だったよね」

 「スラム○ンク?」

 「そうそ」

 「良かったよ」

 「映画がヒットした、影響か?」

 でも…、バスケ人気上昇の原因は、それだけ?

 「本当のところ、何が、中学生や高校生をバスケに引きつけるんだ?」

 シズヤは、その細かな事情を知りたいと感じていた男子の 1人。

 バスケには、興味があった。

 彼は、この高校のバスケ部に入部したときから、優秀なプレイヤーとして注目されていた男子だ。

 が…。

 「はりきりすぎ」で、無理がたたったんだろう。身体の調子を、大きく崩してしまっていた。

 「もう、バスケットボールのプレイヤーとして活躍するのは、無理ですね」

 医者から、言われてしまった。

 「…やめます。バスケ部。先生?今まで、お世話になりました」

 タケサワという名の顧問に、深々と、頭を下げる。

 そんな、落ち込みはじめたときだった!

 ネットの動画配信で見ていた、地方大会でのある一コマに、引きつけられたのは!

 どこかの高校の、ヤンザイとかいったバスケ部の顧問が、アップで映っていた。

 ずいぶんメタボな、中年メガネ男性。

 鼻と口の間に、立派なヒゲをたくわえていた。

 二重あご、いや、三重あごを、たぷたぷとゆらして。

 それで、顧問のそのメタボおじさんが、こんなことを言っていたんだよな。

 「あきらめたら、そこで試合終了です。生徒たちには、そう教えることにしているんですよ」

 衝撃を受ける、彼。

 「な、何だ?この顧問のオーラは、何だ?この教えは、何だ?」

 まさに、大打撃!

 「だいやきゅーとからの、ばよえーん!」

 落ち込んでいた彼にとっては、最高のクスリになったんじゃないか。

 「そうだ…。そうだよな。俺は、まだまだやれるはず!」

 そして彼は、立ち上がった。

 気付けば、やめたはずのバスケ部の様子を見にいっていた。

 「やっぱり、俺は、バスケに引きつけられる運命なんだろうな…」

 何となく恥ずかしかったが、気さくに、部員たちと声をかけあう。

 バスケの魂を共有する者としては、当然のことだろう。

 「そうだ!あきらめたら、そこで試合終了なんだ!」

 バスケ部にいって見学させてもらう日が、続く。

 「もう…バスケなんか、見たくもない」

 正直、そうまで思った過去の自分自身が、うそのよう。

 それでも、顧問のタケサワ先生だけには会いたくなかった。

 「さすがに、先生に会うのは、恥ずかしい…」

 だから、彼は、バスケ部を見る時間の使い方には気を付けた。

 「放課後、バスケ部の練習がはじまって 1時間したら、タケサワ先生がやってくる。その前に、帰ろう」

 彼なりの、愛だ。

 「なあ、皆?」

 「何だ、シズヤ?」

 「俺、放課後は、毎日のようにここにきているだろう?」

 「ああ」

 「それ、タケサワ先生に言うなよ?」

 「わかっているさ、友よ!」

 友、か…。

 良い言葉じゃあ、ないか。

 そういう平和なときにこそ、事件はおきるんだけれどな!

 ある日、バスケ好きな彼の姿を見逃さなかった謎の集団が、動き出した。その、謎の集団とは…。

 「生徒会」

 生徒会の人たちも、バスケ部の急成長に注目をしていたようだ。

 「バスケ部の部員、増えたようだな」

 「学年の途中から入ってくるやつとかも、いるそうじゃないか」

 「調査しよう」

 そう。

 バスケ部の部員は、彼がバスケ部を見にいくたびに、増えていた。

 それが、生徒会には気に入らない。

 なぜって…。

 生徒会のメンバーは、こう思っていたからだ。





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