ペンギンマン

英雄

戦争は大勝利。

僕の作戦が大成功。

もちろん戦争が始まった直後は、逮捕されるか、収容所に入れられる可能性もあった。

でもこの献策で、一気に立場が覆った。

僕は母国とのしがらみを乗り越えた英雄と世間では言われるようになった。

この勢いなら海外出身者初の大統領も夢じゃない、と新聞は囃し立てた。

そうか、僕には大統領を務めるだけの能力があるんだ。みんな気が付かなかっただけで、そうなんだ。

僕は選挙に出ようと思った。

地位と名声ある大統領まであと一歩だ。

さぁ、選挙に勝つために、僕の名声をさらに上げなくてはならない。

そのために僕の賢さと、国を思う心を示す必要があるだろう。

なんなら祖国を植民地にしよう。

そのために必要なのは戦争だ。

市民を煽って戦争を引き起こそう。

僕の目の前を、羽の折れた青い鳥が通り過ぎていく。