第5話 出発

勇者らを歓迎する宴が開かれたあと、1人ごと充てられた部屋で考え事をしていた。

「よくよく考えてみれば...俺にとって都合が良すぎないか?」

「Lv.1の時点でクラスの中でも1位2位を争う要達でさえ3桁前半台だ。」

「でも俺は4桁、しかも後半台...意図的に操作されているのか?」

まあ、あまり無駄なことは考えない方が良いのだろう。

と思ったが...嫌な気配がする。

気配探知でも使ってみるか...っと、アニメの見すぎか。ウィンドウにはそんなスキルはなかったな。今日はもう寝よう。明日に備えてしっかり睡眠は必y──

ー条件達成。【気配探知】を【創造】で作成しました。ー

ー【気配探知】を獲得しました。ー

考え事を遮るようにそうアナウンスが流れた。

まるで使えと言われたようだ。

まあ仕方ない。ゲットしたのだから使っとくべきだろう。

「【気配探知】」

ついでに隠蔽も使っておこう。

「【隠蔽】」

ドアの向こうに2人見える。おそらく柊磨達だろう。

何の為に俺の部屋に来たのかは知らないが、いないように見せ掛けよう。

ギィィという音とともにとドアが開いた。

やっぱり柊磨と要か。

「おーい零、この俺が遊びに来て...っていねぇじゃねぇか」

「僕たちのステータスが高くて逃げちゃったのかもね」

「あいつのことだし有り得そうだなw」

また苛立ってきた。だがここは抑えないと行けない。

ここを発ってこいつらとは違う生き方をしよう。

じゃないといつかこいつらを殺ってしまいそうだ。

資金は宴の前に金貨30枚ほど1人1人に渡されてある。

暫くは大丈夫だろう。

さて、出るとするか。

あいつらのことも、城間のことも忘れよう。

こっから俺の異世界ライフが始まるんだ。

そう心の中で思いつつ、この城を発った。

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