第3話 ステータス

「ここは?」柊磨が問う。

「この部屋は勇者様方のステータスを可視化することが出来る部屋であります。」

クラスがどよめく。

「おい、ちょっと待て、ステータスってなんだよ?」

今度は要が問う。

「ステータスとは、個人における能力値と思ってもらえれば早いですぞ。数値が高いほど優秀ということですな。」

「もちろん、ステータスは非公開にできますし、個人情報もお守り致しますぞ。」

ヒソヒソと話し声が聞こえる。

「ねえ、柊磨くんとか要くん絶対数値高いよね!」

「わかる~!やっぱかっこいいなぁ~」

(何が楽しいんだか...。)

そう呆れつつも、王様の次の言葉を待つ。

「それでは勇者様方、一列に並んでくだされ。」

全員がある程度並び終えた。

「1番前の勇者様、前にどうぞ」

教会に居そうなシスター的な人に呼ばれ、1番前の奴が前に出た。

「【ステータス・ビジュアリズム】」

ぶおんという音とともに、1番前の奴の眼前にウィンドウが表示される。

「おお...」と感嘆しながらウィンドウを見ていた。

「どんなステータスなんだろうな?」

「ねー、何も見えないから分からない。」

───ん?ちょっと待て。

───何も見えない?俺にはウィンドウが見えている...。

───ああ、そういう事か。

不敵な笑みをこぼす。

やっぱり、神は俺を優遇してくれているようだ。

その厚意、受け取らせてもらうよ。

皆がステータスを見て一喜一憂しているのを見ながら、俺の番がくるのを待ち続けた。

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