03:名前を足したら
あの子が去ってから。
なんて言えばいいんだろう。
孤独感っていうのかな。
そんなのがさ、やってきたんだ。
すげー寂しいっていうかさ。
うん、そんな感じ。
俺らしくないなぁ、って思う。
なんでだろうな。
久しぶりに人と話したからなのかもしれないな。
「空、かぁ。良い名前だよなぁ」
俺さ、気付いたんだ。
俺の名前とあの子の名前。
足したら"大空"になる。
互いに生きてた間に出会ってたら良いコンビになれたかもしれないよな。
「って、なんのコンビだっての」
空を流れていく雲を見つめながら俺は笑っていた。
また、会えるかな。
そして会えたら、
一緒に天国にゴールインしようぜ!
あの空に向かって頑張ろう!
とか言ってみたりして。
「……バカらし。やめだ、やめ」
さて、これからどうしたものか。
仲間に出会っても状況は変わらないんだよな。
そう、俺は行くべきところに行かなくてはならないのだ。
行くべきところ、つまりッ、空だ! 空の上だッ!
って、こうやって力説しても行けるようなところじゃないよな。
……暇だ。とにかく暇すぎる。
人どころか犬も猫も鳥さえもいない。
空はどこにいるんだろう。
探してみるかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます