第31話

「まったく、いつからあいつ

あんなほら吹きになったのかな」

十文字が首を捻っていると、

「あの無自戒って男ですか」

と刑事が声を掛けた。

「ああ、高校時代は謹厳実直、真面目を

絵に描いたようなオトコだったんだが」

「人は変わるもんですよ」

「哲学者か、オマエは」

「エへへ」

刑事が照れ笑いした。

「それにしても、妙に説得力がありやがる」

「あの無自戒の言ってることにですか」

「そうだ、ハチャメチャなようにも聞こえるが

筋は通ってる」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る