第30話

「何だ、それは。「あ」がどうした」

「「あ」は重要な宇宙の構成因子の一つなんだ」

「よくわからんな」

「「あ」一つが消滅しただけで、宇宙のバランスが

崩れる危険性があるんだ」

「それで、オマエひとりで宇宙防衛軍の

隊員ごっこをしようってことか」

「聴いてくれ、オレは」

「ともかく、二、三日、豚箱で

頭を冷やしてもらおう」

十文字が長い顎をしゃくると、部下が飛んできて

無自戒を面会室から連れ出した。

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