第29話
「宇宙の支配者、だれだそれは」
「美葉、実葉竜也という男だ」
「実葉、あの有名な国文学者の」
十文字が一笑に付そうとした。
「そうだ」
「何をバカな、バカバカしい」
「本当だ、実葉と闘ってから千五百年が経つ」
「千五百年、いつの話だ」
「飛鳥時代、大化の改新の頃だ」
「どこで闘った」
「一条大橋の上で」
「訳が分からんな」
「なぜ、闘った」
「「あ」という言葉を守り抜くため」
「「あ」、を」
十文字が痴呆児を見つめるように
無自戒を見た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます