第20話

肉片が飛び散った。

赤い汁が散乱し、悲鳴が飛び交う。

「「あ」は貰ったぞ」

怪物はズドン、ズドンと

大きな足音を響かせながら

帰って行った。

 生きながらえた村の住人は

腰を抜かしながら、ガチガチと

口を鳴らし続けた。

 怪物は人が寝静まった夜半に

村を急襲した。

来た時には足音を殺していたのか、

誰もその来襲には気づかなかった。

「いずれ来ると思っていた」

村長は力なくそういって首を振った。

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