第12話

「あの、少女は誰」

「アナタを刺した少女」

「そう」

「闇シンジケートの者よ」

「まさか」

無自戒は絶句した。

「闇のシンジケートが、少女たちを

安値で買って、刺客業のようなことを

やらせてるらしいわ」

「酷い話だ」

「兄はねえ、こんな世界に嫌気がさして

言葉の世界に身を置いたの。でもね」

「言葉の世界も腐っていた」

「そう、徹底的な言語統制が敷かれていて

まるで、息もできないような状況だった」



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