第4話 魔法の訓練 その2
オリビアさんが分厚い本を持ってくる。
「ここには魔方陣の形がたくさん載ってる、火の一般魔法は……あった、この形に魔力を操作して魔方陣を構築してみて」
「やってみます」
自分の魂から引っ張り出した魔力をかざした手の先へ流し、本に載っている魔方陣の形に合わせる。
「これでいいですか?」
「そこから炎を飛ばしてみて、森が焼け野原にならないよう弱めにね」
構築した魔方陣から少しだけ炎を出すイメージをする。
それに呼応するように魔方陣からちょっと強いライターくらいの炎が発射される。
「火力の調整も上手だね。でもこれ以上強い魔法は危ないから場所変えよっか。また手を繋いでくれるかな」
オリビアさんと手を繋ぐ。
心地よい温かみを感じる、まるでお母さんと手を繋いでいるような······
『発動:空間魔法 テレポート』
海岸にテレポートしてきた。
ここなら燃えるものもなく安全だ。
「ちょっと早い、というか早すぎるけど火属性魔法の最上位魔法を教えちゃおうかな」
オリビアさんがまた分厚い本を開く、そこには1つの魔方陣とその説明が載っていた。
火属性最上位魔法 インフェルノ
この魔法を行使すると一般火属性魔法とは比べ物にならないほどの熱量をもつ青い炎が発生する。
そう記載されている。
「ちょっと魔方陣が複雑だから時間はかかるかもとりあえず1週間やって無理だったら別の魔法覚えようか」
夕方、私が構成した魔方陣から青い炎が発生する。
できた、できてしまった、最上位魔法がこれほど短い時間で。
「え······最上位魔法だよ……まだ練習始めた初日なのに何で……天才だよノエルは」
「ありがとうございます!」
私も嬉しくなり声が大きくなる。
「海に向かってインフェルノ使ってみよっか」
「はい!」
『発動:火属性最上位魔法 インフェルノ』
海の水は蒸発し、できた塩さえも塵となり消滅する。
流石最上位魔法と言われるだけはある。
この炎があれば海を歩いて渡ることすらできそうだ、そう思わせるほどの威力があった。
「完璧だね、流す魔力量を調整して魔法の威力を抑えることもできてる」
「私はすごいですか?」
「すごい、すごすぎるよ」
べた褒めされ思わず口角が上がる。
しかしその後すぐドサッと砂浜に倒れこむ。気づかないうちに私は体力を使い果たしていたようだ。
「疲れたんだね、お疲れ様。私が家まで連れていくから寝てていいよ」
オリビアさんの言葉に甘え、途絶えかけていた意識から手を離す。
私は気絶してしまった。
「よしよし、よく頑張ったね。明日は体力切れを起こさないように時間魔法を教えようかな」
その後の私の成長は凄まじく、1ヶ月で使用可能な
無属性、火属性、闇属性、時間、すべてを使いこなせるようになった。
その上に魔力感知や魔力感知対策で自分の魔力を抑えることができるようになった。
しかし、何度かオリビアさんとも戦ったが1度もかなわなかった。
魔法の強さでは既にオリビアさんを超えたらしいが実戦経験がまだ足りないらしい。
これからは魔物と実際に戦い、実戦経験を積むようだ。
私はこれから先、強力な魔物や人間との和解に否定的な魔族とも戦わなければならない。まだまだ私は強くなれる。
強くなってオリビアさんの期待に絶対応えるんだ。
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