第3話
頭痛のせいでフラフラしながらも部屋に帰った私だったが、ベッドに倒れこんでそのまま眠ってしまっていたみたい。
何かいろいろな夢を見たような気がするけど、何も思い出せなかった。
既に日は沈み始め取り、部屋の中は薄暗くなっていた。
私の部屋に置いてある机の上には、使用人が持ってきた今日の夕食が置かれていました。
使用人は私のことを起こすなんてことは、当然しなかったみたい。
私はかなりの時間眠ってしまっていたのは、既に冷めきってしまっていた夕食が物語っている。
思ったより長い時間寝てしまっていたのね。
何だか目が冴えて頭もスッキリとしている気がする。
冷めた料理は当然のことだが美味しくない。
肉なんて固くて食べれたものじゃないわね。
でもお腹には食べ物入れないと、生きることができない。
仕方ないので、一番マシなサラダでごまかしつつ不味くなった食事を胃の中に流し込んでいく。
食べながら私は、手に持っていたスープの器を浮かせようとしてみた。
……けど器はピクリともしなかった。
「……認識に誤りがあるのかしら」
これはただの器だけど、石を加工してできたもの……
『器を浮かせる』から『石を加工した器を浮かせる』と、自分の中で意識を変えて魔法を発動させようとした。
そうしたら、先ほどはピクリともしなかった器が、ふわりとその場に浮かんだのだ。
「この器は、もとは『石だったものを加工してできたもの』という認識が足りなかったのね。神官が告げたのは『石……操る……』……か……」
私の魔法には、まだ私の知らない魔法の使い方があるのでは……
今まで思い至らなかった考えに、不思議と今日は思い至った。
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