第2話
この世界の人は神より『魔法』という力を授かる。
『火を起こす魔法』や『水を出す魔法』といったように。
5歳を迎えたときに、平民貴族問わずすべての人が、神殿で神託を受けることで授かる。
中には『雨を降らせる魔法』や『一瞬で土壁を作る魔法』といった希少な魔法をもって生まれてくる人もいます。
『雨を降らせる魔法』のおかげで、日照りに悩まされることなく、作物が豊作の年が続いた――
『一瞬で土壁を作る魔法』のおかげ、他国からの侵略を防ぎ、戦争に勝利できた――
最もそのような希少魔法は、貴族の人たちの中で持って生まれてくることがほとんどだった。
「石……操る……」
神からの神託を聞いた神官が告げた言葉は、他の人と違い断片的なものだった。
言葉の内容から周りは『石を操る魔法』なのだと判断された。
両親は私に魔法を使うように言いました。
私の魔法がどの程度使えるのかを確認したかったのでしょう。
私は、手で持てる程度の石だったら自由に浮かせることができたけど、土砂崩れで発生した落石の除去はできなかった。
その結果を見た両親は、私の魔法を役に立たない魔法と判断した。
他の貴族の子女は、最低でも『火を出す魔法』などの有用な魔法であったのに、私だけが対して使い道のない魔法。
更に追い打ちをかけたのが翌年。
妹のルビーが『傷を治す魔法』を授かった。
貴族でも滅多に表れない希少魔法といってもいい魔法だった。
その時から両親はルビーのことを可愛がり、私には見向きもしなかった。
そして現在の婚約者。
両親は私に貴族の血を残す以外のことを期待していなかった。
石……
操る…………
……操り方って、浮かせることだけ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます