第170話 いってら!
【東の連合軍】
長宗我部隊 三千
毛利・大友隊 一万五千
島津隊 五千
総勢二万三千五百
対するは
【浜松城の徳川軍】
三万。
連合軍の総大将に長宗我部元親の将・盛山が抜擢された。
これまでの元親の功績や藍の討死によって責任を感じた盛山への気遣いも含まれていいた。
「皆様方!此度のお気遣い感謝致しまするっ!!」
「この不肖、盛山……。粉骨砕身の思いでこれからの戦に向かう所存っ!ご助力の程!お願い致しまするっ!!」
「盛山殿!儂らはそなたと共にあるっ!」
「そうじゃっ!存分にお力を発揮されよ!」
「藍殿の弔いとなろうっ!!」
吉川元春・立花宗茂・島津歳久らが心を一つに誓いを立てた。
それは突然の事だった。
浜松城の眼前へと迫っていた連合軍だったが、家康が討って出る気配は全くなかった。
持久戦になれば、連合軍は圧倒的に不利、北条家は氏直を小田原に残していものの、氏政と三万超の兵を失い、今は補給も期待できない。
野戦に持ち込み一気に打ち破る事が唯一の連合軍生き残りの道だった。
だが、そんなこちらの状況は家康は完全に把握している。
こちらをあざわらうかの様に浜松城を動かなかった。
ところが昨日、突然徳川軍が城から兵を出陣させたのだった。
まさかの展開に連合軍は驚いたが、又とない機会に全軍が即座に臨戦態勢を整えた。
とは言え徳川家康は野戦に関しては得意中の得意としている。
連合軍の不利は否めなかった……。
◇◇◇
「総大将を榊原康政とし、兵二万七千を預けるっ!副将に酒井忠次!先方は本田忠勝を命ずるっ!連合軍を殲滅して参れっっ!!」
「おおっっ!!」
「ははっ!!」
「御意っ!!」
浜松城にて出陣の支度を終えた将達に命を下した家康。
織田信雄の派遣という信長の圧力に押し出される形となった徳川軍……。
だが、いずれこの戦いは避けて通れないものである。
自らの思惑通りにはいかなかったが、こうなってはただ前進あるのみ。
意を決して連合軍を一気に蹴散らせる覚悟を固めていた。
総大将・榊原康政。
「よいかぁぁっっ!!儂らはこれより討って出るっ!!」
「敵は田舎者の集団であるっ!つまらぬ理想の下に集いし愚か者共じゃぁぁ!!」
「ここで完全にその芽を摘んでくれるっっ!心して掛かれっっ!!」
「いざっ!!出陣っっっっ!!!!」
「おおおおおおっっっ!!」「おおおおっっ!!」
「おおっっ!」「おおおおおっっっ!!!」
「開門ぉんん!!」
(ぎいぃぃぃぃっっっ……)
「進めぇぇぇぇ!!!」
徳川軍本隊ついに城を出立!!!
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