第12話 四国統一へ
翼は、岡豊城の広間で膝を突き合わせ、家臣たちと共に次なる大計画を練っていた。四国統一という長宗我部元親の夢は今、翼の手で現実のものとなろうとしていた。
「四国の平和は俺達の手で。でも、無用な血は流さない。計略を巡らせるんだ」
と翼は静かに語る。彼の眼差しは遠く、未来の四国を見据えていた。
盛山は、策士としての才を発揮し、さまざまな政略を提案する。
「隣国との同盟を深め、敵の内側から揺さぶりをかけるのも一つの手です。」
その一方で、藍は、民の安寧を最優先に置くように忠告した。
翼は、これらの意見を慎重に聞き入れながら、地図上で勢力範囲を検討していく。
一条兼定が九州から再興を謀るが、翼は彼に直接話し合いを持ちかけることを決める。しかし兼定はあくまでも再び土佐の主となる事を企んでいた為、翼は仕方なく調略をもって兼定を完全に隠居させた。
これで土佐は完全に憂いなく統一された。
夜が更けてゆく中、翼は窓辺に立ち、星空を眺める。
「四国の人々が、平和な日々を送れるように」と彼は心の中で祈った。
そして、新たな戦略を胸に、翼は明日への一歩を踏み出すのだった。
一条兼定の野望を水泡に帰させた後、翼はすぐに阿波・讃岐への進軍を計画する。
彼の目的は明確だった。
四国の平和と統一を成し遂げ、戦乱の時代に終止符を打つこと。
岡豊城の戦議の間、翼は家臣たちに命じる。
「阿波・讃岐への進軍は慎重に進めよ。我々の目的は無用な血を流さず、人々を守ることだ。」
翼の言葉には、彼の強い信念が込められていた。
一方で、藍は地元の民衆の支持を得るために、民心掌握に努める。彼女は地域の有力者や農民と交流を深め、翼の平和への願いを伝える。
その流れで進めるつもりである。
しかし、阿波進軍の前に翼は待っていたものがあった。
それは京の織田信長からの書状。
四国を統一するためには今日ノ本で最大の勢力を有し、圧倒的な武力をもって全国を統一する勢いの織田家。
その当主、織田信長の許しがなければ勝手に進軍することは命取りとなる。
それ故、阿波・讃岐進軍の許可状を待っていたのである。
ドタドタドタドタドタッ!
「殿ぉぉー!織田様からの書状が届きましたぁ!」
「来たかっ!」
翼はこっちの世界にきてから少しして気付いたのだが、この時代の文字や言葉がなぜか自然に読み書き出来るし、聞き取れるのだった。
書状に目を通す翼。
そして、カっと目を見開き空の一点を見つめた。
「盛山!藍!」
二人がサッと翼の近くに寄った。
「織田様の許しが出た」
「出陣の準備だっ!!」
二人が声を揃えて返事をする
「はっ!!」
「はっ!!」
いよいよ四国統一への歩みが始まる!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます