第7話 ナホドと会話している所に…

 夕食後は一息休憩してからのお風呂タイムだ。


「入浴手伝いましょうか?」


 と、メイドが私へ入浴の介助をしようかと告げてくるがさすがに申し訳ないので断った。浴室はこれでもかというほどに広い。


(家の風呂と全然違う……!)


 しかも浴槽の淵は金色だ。こんな豪華な浴槽、初めてだ……。そしてお湯は乳白色に染まっている。


(入浴剤でも入ってるのかな)


 掛け湯をしてから浴槽に入ると、全身のこわばりが一気に取れて、筋肉が柔らかくほぐれていくのが分かる。


「きもちいい~」


 これは気持ちよすぎる。こんなお湯につかるのは初めてだ。しかもお湯からはバラっぽい匂いもする。


「はあ~」


 入浴を満喫し、寝間着のワンピースに着替えて魔法で髪を乾かすと私は自室のベッドで仰向けになる。


「…ナホドなにしてるかなー」


 キャバクラでは我慢できても、基本何かが気になると中々スルー出来ないのが私である。私は金色の呼び鈴を振ってメイドを呼ぶと、ナホドの居場所はどこかと聞く。


「もう、宿舎で休んでいます……」


 どうやら朝から夜の19時まで務めた後は、使用人専用の宿舎に戻って休んでいるのだという。


(まあ、働き方改革もあるしな……)


 ここで私はある事を思いつく。


「あのー、宿舎まで、案内させてもらっても?」

「ええっ?!」


 結局私はメイドへ無理を言って、ナホドの元へ向かう事になったのだった。宿舎に到着しその宿舎の者にナホドを呼んでもらうと、Yシャツにズボン姿のナホドが驚きながらやってきた。


「リリア様!何かありましたか?!」

「あっいえ……一緒に話したいなって思って。迷惑だったかしら?」

(何か申し訳ないな……別段アクシデントやトラブルは無いんだけど)


 ナホドは一瞬固まるも、私を宿舎の中に入れてくれた。


「汚いですけど……良かったら部屋に入りますか?」

「良いの?!」

「リリア様がよければ……」


 ナホドの部屋は、大体私の住んでいた部屋と同じくらいか、ちょっと広い位の間取りだ。しっかりと片付いており、掃除も行き届いているのが一目でわかる。


「綺麗な部屋ですわね」

「そうでしょうか?」

「ええ!綺麗な部屋ですとも!!」


 私がナホドの部屋と彼の片付けっぷりを褒めている所に、メイドが慌ててやってきた。


「リリア様、王子様からお手紙です」


 私を追放した王子から、なぜか手紙が届いたのだった。


(このタイミングでなぜ?)


 手紙の封を切り、中を見るとこのような文言が書かれている。


「追放としたが、学園には戻ってきてほしい」

 

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