第4話

「あ痛っ………

頭痛ぇ」


 そりゃあそうよ、あんなにあびるほどお酒を呑んでれば、二日酔いにもなるって。

 ベッドで、身もだえるリーダーを口角を上げて見下ろす。


「今朝 帰って来たけど お酒を呑んで来たんですか ?」


 もう、見ればわかることを白々しく聞いてみる。


「ああ そうだよ」


 両手で、頭を抱えたまま上半身を起こすリーダー。


「そうなんだね

1人で 呑んでたのかな ??」


 まぁ、店内の様子はちゃんとモニタリングしていたから知ってるけど、ウソつくか確認の為よ。


「店には 1人で行ったが 知り合いのヤツに バッタリ会って そいつと呑んでいたよ」


 あら、ちゃんと答えてくれたね。

 それじゃあ、昨日の女性は誰なんだろうってクチから出かかったけど耐えたよ。


「そうなんだ

男友達と 呑んでいたのね」


 友達となら、いくら飲み会に行っても文句の言いようがないのだけれど。


「友達ってほどじゃあないが」


 妙なところが、まじめなんだよなぁ。


「へぇ そっか」


 あー、昨日の女のこと聞きたい。


「それに 女かも知れなかったのに どうして男友達って わかったんだ ??」


 ヤバい。

 ハッキングしていたのバレたかな ??

 どうしよう。


「なんとなく そう思っただけだよ」


 苦しいな。


「なんとなくねぇ………

あっ 約束の時間が あるんだ」


 なんとか、ごまかせたみたい。


「約束 ??」


 ちょっと、聞き捨てならないわ。


「そう

アッッ 痛い」


 ベッドから、起き上がったリーダー。

 まだ、痛みがあるみたいね。


「今日は やめといた方が イイんじゃないかしらね」


 どうせ、たいした用事じゃあないんでしょ。


「そうはいくかよ」


 やたら、気合いが入っているわね。


「そんなに 大事な用事なんだね」


 あたしを、差し置いて予定を入れるなんてね。


「ああ そうだな

ちょっと シャワーしてから出るよ」


 へー、そうか。


「なるほどね」


 なんだろ。浮気したのバレてないとでも思っているのかな ??

 のんきに、シャワーなんかあびて。


「さてと 出てくるよ」


 やたら、おめかししちゃって。


「ねぇ 何時ごろ帰って来るの ??」


 一応、聞いておかないとね。


「夕方ぐらいには 帰って来るよ」


 あら、そうなんだ。


「それじゃあ ビーフストロガノフとビシソワーズのどっちが食べたいかな ??」


 ちゃんと、帰って来るようにしないとね。


「あー ビーフストロガノフかな」


 ちょっと、考える素振りをして答えるリーダー。


「うん 作って待ってるね」


 よし、がんばって作るかぁ。


「ああ」


 苦笑いするリーダー。


「さてと 今日も様子を おがむとしますかぁ」


 いつも通り、ベッドに横になる。


「おっ 浮気相手と レストランに入ったぞ」


 やっぱり、この浮気相手と約束してたんだな。


「楽しそうに しやがって」


 なんだろう。

 誕生日とか、そんな感じ。


「あれ 昨日買ってた プレゼント」


 紙袋に、入ったのをテーブルに乗せたわ。


「この子に 渡すんだ………

マジかよ」


 なんだ、女の子めっちゃ喜んでいるけど。


「てっきり あたしに買ってくれたと思っていたのに」


 あー、なんだよ。期待して、損したなぁ。


「くやしいな

ビーフストロガノフに毒でも入れようかな」

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