12月2日(土)

 おはようございます。12月初旬、急に昼間は所要(仕事ではない)で外出することが多くなっていささかロウバイしています。コロナ渦やら何やらどういうこと(実態、ムード)になっているのか、自分には5類になってからろくすっぽ掴めていないような気がする。

 原稿やゲームにもあまり集中できていない。これが師走か(と、毎年思う)。おまけに昨晩は最終LQA中に3度PCがクラッシュするという事態が起こり(引っ繰り返りそうになった)、それでも大きな問題はなかったことに感謝しなければいけないのだろう。


 今日はなんだか気が焦っているので、ここで筆(キーボード)を置こうかと思ったけど、せっかくの日記(雑記)なので、もう少々お付き合いください……。


 昨日、寝しなにSwitchでいつものようにストアをチェックしたらかの『Loop Hero』が500円になっていたので思わず購入した。このゲームは以前EPICの無料配布か何かでプレイしたのだけど、Switchでプレイしたい感じのゲームだな…と思って数時間で止めていたのである。ちなみに『Loop Hero』はFour Quartersというロシアのインディーゲームスタジオが制作している。そう、かの露西亜である。そのことを購入前に思い出していたら、買うのを止めていただろうか? いや、それはない。「それとこれとは別」とは言えないが、「ゲームには罪はない」事例のひとつだろう(しかしこの件についてはもう少し時間をかけて考えてみたい)。


 それで『Loop Hero』をようやく2年ぶりくらいにswitchで再プレイしたのだけど、あれ……こんなゲームだったか? 「こんな」というのはけっしてネガティブな意味ではなく、なんというか、記憶とだいぶん違うのである。翻訳の奇妙さもいっそう増しているような……でも、すっかり忘れていてもプレイしているうちに、本作の妙味をだんだんと思い出してきた。


『Loop Hero』の妙味とは、イチにもニにもまずその「画」であろう。古き良きPC時代感溢れ、WIZやらゲームブックやらにのめり込んでいた中学生の頃の自分をピンポイントで刺激するような世界観なのだ。いささか奇妙なテキストさえも、そこでは減点ではなく加点要素となる。「異国感」を強化してくれるというか。

 

 本作は移動も戦闘もワンボタンでやってくれるのだけど、これって「放置ゲー」に加えてしまって良いのだろうか?

 実は「放置ゲー」というジャンルを自分内ではっきり定義できていないのだが、かのダービースタリオンやベストプレープロ野球(懐かしすぎる)が純然たる放置ゲーではないように、『Loop Hero』も放置ゲーとは異なるような気がする。地形配置やアイテムの取捨択一、退散の決定など、プレイヤーが考えなければいけないこと、やるべきことは1ターン(マップを1周するあいだ)のうちにたっぷりある。

 そういうわけで、このゲームは「レトロなダークファンタジーみ溢れるローグライト」という、安易すぎる自分内カテゴリーに入れておくことにした。とりあえず。


「このゲームはどんなゲームなのか?」を早いめに自分の内で得心しておきたいというのはゲームライターの、あるいはゲーマー特有の悲しいSAGAかもしれない。

 いったいどんなゲームなのかさっぱりわからん。でもなんか心地よいから、とくに名付けなくても佳き哉……というようなゲーム体験がもっとたくさんあってほしい。


 最後に、この日記を記すきっかけとなった小説『魔の山』から思いつきで引用します。


……名付けるということは批評とまではいかなくても、少なくとも限定すること、未知なものを既知の慣れたものの中へ組み入れることを意味するのであるが、ハンス・カストルプは、こういう心の財産とでもいうべきものは、決して限定されたり、組み入れられたりすることのないように保護しなければならないと、無意識裡に固く信じ込んでいたのである。(訳・高橋義孝)

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