11. 未来予知
「は、はい。夢です。正確に言うと、未来予知です。」
「普通だと、精霊は夢を見ないはずです。でも、この千年で、夢を見る精霊が増加しています。原理はまだわかりません。」と、セレナは答えた。
「そして、その夢よりも不安な事があります。一部の精霊が見ている夢は現実になります。そして何をしても、その夢の中の現実にたどり着きます。」
「なるほど。最終的はどういう形で現れる?その夢の中の現実は。」
「不明です。昔、自分は怪我すると、夢を見た精霊は私たちの監視や保護の中でも、怪我しました。なんの理由もなく、そこに座っているだけで、当時全ての人が視線をずらしたその瞬間で、彼の体は傷だらけになりました。それは一瞬だけのことで、誰でも反応できませんでした。」と、セレナは重めで語った。
未来予知、いい能力に聞こえるが、実は違う。なぜなら未来は変えられないからだ。少なくとも人間、精霊みたいな一般の種族が変えられる物ではない。でも、セレナの話だけだと、星極はそれが未来予知だと思わない。
彼はより本質的な事を知っている。上の説明は「未来」が実質的に存在してなく、高次元の存在が作った偽りの時間であることを。本物の未来予知はもう「時間」の誕生によって不可能となっている。
時間は無限に伸びる線のようだ。しかし、「現在」という点では常に限界がある。過去、現在、未来という分類はもはや適用されない。言い換えれば、過去と現在のみが知られており、いわゆる未来は、広義には現在の延長である。したがって、確定した未来は存在せず、未来は現在の情報に基づく予測と可能性に過ぎない。
星極は脳内で考えて、最終的に事実をセレナに語った。
「信じられないかもしれないが、私の知っている限りに未来、あるいは未来予知は存在しないんだ。」
「でも、予言魔法も普通に合っていますし、精霊たちの未来予知の夢は確実に現実となります。これはなぜでしょうか?」と、セレナは聞いた。これは不信任ではなく、自分の世界観による現れた質問である。彼女にとってこの世界の未来は予知できる物だ。魔法使いとしての彼女は予言魔法を使える、そしてその魔法が予言した全てが全部効いた、外れたことがない。
「私もわからない。現在の時点で、まだ色々不明だ。私もいくつかの変な事に遭った。でも、私にとって変な事は、君たちにとっての普通のことに過ぎない。今説明すると話が長くなりすぎる。」と、星極はその部分に触れたくなさそうで、適当に流した。
見た目だけ美味しい食事を終わらせ、星極は一時的に自由行動できる時間ができた。妙な話だが、この国でかなり地位高いセレナは一日中星極についていくつもりだ。そんなに暇で大丈夫か?と、星極は思っていたが、セレナは答えるつもりなさそうだ。
自由行動と言っても、セレナがいるから結局監視されているまま。自分の自由時間のためには、何かしらの対策が必要だ。
「今夜再び探してみようか。」
。。。
「ベルタは大丈夫だったか?」
自分の席に座り、机の上の資料を見てライナは他の人に聞いた。
「あぁ、あの子は邪教徒の精神世界の中で少々刺激を受けたが、私がいい腕を持っているおかけでまぁまぁ治った。でも、彼から何かを聞くのはやめた方がいい。精神の自我防衛によってその部分の記憶が消されている——彼はかなりやばい物を見たんだろう。」と、白服を着る男の精霊は答えた。彼は人間の60歳に近く、よっぽど疲れている目を持つ。目元のくまはもう「化粧ではないか」と疑うほどひどかった。
「。。。あんたは休んだ方がいいぞ。その働き方、いずれ過労死するぞ。」
ライナは我慢できず語った。
「そんな事どうでもいいから、精霊の体は強いし、私も過労死するわけがない。その子はすぐに戻ってくる、私はこれで。」と、ライナの言葉に飽きたかのように、彼女の返事を待たず医者は抜けた。
ライナはそのまま彼が離れるところの扉を見続ける、彼の言う通りに間もなく邪教徒の精神世界に入って怪我したベルタという精霊が入ってきた。
「すみません、おまたせした。」と、ベルタは頭の方に包帯が包んだままライナに語った。少し近づくと、薬草の匂いがする。ライナはその薬草の匂いを無視して、ベルタと目を合わせた。
「調子はどうだ?」
「はい、完璧です!」
ライナは頭を振って、再び聞いた。
「調子はどうだ?」
「はい、隊長。正直に言うと、良くないです。今でも私の脳内は騒音がします。でも、体に影響がなく、徐々に緩和しています。」
今回ライナは頭をうなずいて、顔の表情が少しずつ柔らかくなった。
「それは何よりだ。体はまだ完全に回復していないと思うが、今の調子で報告ぐらいはできるか?今回は君の回復を待つほど余裕がない。どうだ?」と、厳しいが、ライナは語った。今回の事件は昔の邪教徒の事件と違う。昔で似たような事件は大体大規模の詐欺みたいな感じだったが、本物の異端の神が出てくるのは始めてだ。昔と同じような対策では足りない、ライナはそう考えていた。
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