6.審問
「正式な姓名はなんですか?」
「星極。」
「年齢や性別は?」
「性別は一応男、年齢は覚えていない。」
星極は大人しく椅子に座り、レイラの質問に答えている。周りは牢屋ではないか、結構警備が厳しいそうなところだった。ここに警備が多く、窓や壁も特殊な材料でできている。何人かの警備はレイラの後ろに立っており、腰のところに円形の金属や石英でできている小さな装置がつけられている。
その装置はこの世界の銃だ。星極がここに入る前に警備はその円形の装置で襲ってきた紫のでかい野獣を殺したところを見た。
「種族は?」
レイラは星極の対面に座っており、全く装備を持たない。自分が星極をここに連れてきているし、最初は身分の登録を理由にしたから、もし装備を持つと相手が機嫌悪くなるかもしれない。と、彼女は思っていた。
「わからない。」
レイラは筆も止めた、彼女は脳内で星極の情報を整理してから、頭を上げて彼の目をじっと見ていた。少しの間に気まずい空気が続いて、彼女が隣のポリグラフを見て、疑いながら語った。
「まぁ、一応人間と登録しよう。気にしなくていい、精霊の中で、寿命が長すぎて自分の年齢や種族を忘れる人は少なくはない。」と、彼女は筆を動かし、白い紙の上で「記憶障害」を意味する精霊語を書いた。最後に、彼女は聞いた。
「魔法は使えますか?」
「火を出せるぐらいかな?」と、星極の指先に金色の炎が現れた、近くの警備はすぐに反応したが、レイラに止めた。少しその炎に近づくと、全く温度を感じない。星極はもう一つの手を出して、金色の炎と違うまるで星空のように美しい炎が現れた。
「私の炎はとても単純な物だ、特殊な能力を持たない。まぁ、きれいはきれいけどな~」と、自分の炎をいじりながら、星極は語った。レイラはその炎に触れてみると、先と同じ温度を感じない。でも、その炎は確かに燃えている。何が燃料となっているかはわからない。
レイラはすぐに自分の席に戻り、書類に「観賞用や攻撃魔法?」と書いた。
彼女は挨拶をして、書類を持って部屋から出た。少し時間が立って、星極もそろそろ疲れてくるとき、レイラは一枚のカードを持てきた。
「あなたの身分証明書です。どうか大事に扱ってください。」
カードの表は先撮影した星極の写真が乗ってあり、裏面に変な電子線路みたいな紫の紋が大半の面積を占めたが、他の角度で見るとその線路は消えて、太陽や光に当たったときだけ反射して見えるようになっている。
「では、私は仕事がありますので、ここからはセレナに任せます。」と、レイラは星極の記録を持って再び出た。それと同時に、セレナは部屋に入った。彼女は新しい服に着替え、全身は白と緑がメインリズムとんっている。
「星極さん、あなたはここに来るのが初めてですから、この国家の通貨を持たないようですね。でもそんなに心配しなくていいです。この国家は旅者に関する優遇制度がありますので、レイラの申請が通れば、あなたは一定の範囲内であれば生活に関する必要品は無料で配送します。住むところも、こちらから用意しております。」
「あ、はい、ありがとう。」と、星極はそんなに経済的なことを気にしてなかったが、言われて気づいた。今の自分は一円も持っていないと。でも、星極は心配していない。「深海」の中にいるとき、星極も普通に過ごしているから、大した問題ではない。
それに、優遇制度もあるし、住むところも用意されている。監視の言い回しだと思うが、住むところがない状態よりはましだ。星極は大して気にしてないまま受け入れた。彼はセレナについて行き、この審問所らしいところから出た、扉を開く瞬間に、セレナの声も伝わってきた。
「ようこそ、独立精霊国家カーロストへ!」
扉が開き、湧いてきたのはとても繁栄している都市の風景であった。質問や歩きに時間がかかって太陽はもうそろそろ見えなくなってきているが、精霊たちの生活は始まったばかりだ。
人類より体が強く健康な精霊は千年以上の寿命を持つから、夜だとしても体の健康を気にせず徹夜自分のやりたいことができる。パッと見たら、ここは理想と言えるほど幸せそうな国家だった。でも、唯一おかしいなところと言ったら、夜の空の星が少なさすぎる、そして自分の軌跡を持って動いていない。
まぁ、都市中で地面の光に影響され空の星が見えなくなることはかなりあるけど、空で輝いているいくつかの星はまるで誰かがのりを使って空という白紙の上に貼った光点の如く、宇宙の中の恒星と全く違う感じがした。
でも、すぐに街中の風景に目が引かれて、星極は視線を移した。
道は蜘蛛の糸のように延び交わり、道端の灯りは暗闇の中で非常に眩しい。寒く静かな夜が精霊たちの交流によって中断され、代わりに活気に満ちた夜の都市が彼の前に現れた。冷たい空気は精霊たちの交流や活動を妨げることができず、彼らは家庭のことを話したり、仕事のことを話したりしている。繁栄と生き生きとした雰囲気が迫ってくる。
星極は朝のカーロストの様子を見たことがないが、今のカーロストは一日中でっ最もにぎやかな時と保証はできる。一日の仕事を終わらせ、長い睡眠を必要としていない体強い精霊にとって、夜は存分に楽しむことができる時間帯だ。
セレナについていくと、周りの風景が変化していき、にぎやかが徐々に消えていく。住宅街の関係かもしれない。この国は外来者が少ないようだから、ホテルや旅館がほぼない。一つの大きなホテルだけが市中心の巨木に近いところに位置する。
そのホテルは満席になったことがなく、普段はこの国家の市中心から遠く離れているところに住む精霊たちが用事で市中心に来るときだけに使われる。
「あなたは一時的にこのホテルに泊まります。このホテルはカーロスト最高級のホテルです。日常生活に必要なものは全部用意されており、専門な調理師が食事を用意してくれます。そして部屋の面積は広く、大浴場や個人の部屋にあるシャワー室も設置されております。」
話から聞くとかなり豪華そうなホテルだ。でも、ホテルより、今の星極は他のことに興味が湧いた。
「このホテルでいいの?」
「どういうことですか?」
星極は先ほど審問室みたいなところで話したことを思い出した。
「君はカーロスト政府は日常生活に必要なものを用意してくれると言ったが、こんなに豪華なものだと思わなかった。そんなに豪華なところを用意してくれるってことは、旅者、あるいは外来者は君たちにとって貴重で大事な存在だろう。」と、星極は自分の考えてを述べていた。
カーロストのホテルは少ないとはいえ、たった一つだけというわけでもない。市中心の原因で、建物が密集しており、小さな旅館は一つ二つぐらいあった。
「まぁ、星極は来たばかりの人ですからね。最近治安が悪いですから、ここが一番安全です。」
セレナは笑顔のままだった。話を聞いて、星極はセレナの意味を理解した。
監視中って意味かな。星極の感知内で、このホテルは確かに安全だ。見えないところで隠している人は何人かいたが、表の警備装置だけでもう十分に普通の犯罪者を脅かす事ができる。
感知を収め、星極はセレナの案内に沿って自分の部屋に入った。
「ここはあなたの部屋です。プライバシーが保護されていますので、個人的なことをしても構いません」と、セレナはサービス業特有の笑顔で星極に告げた。
「プライバシーか…」と、星極は感嘆しつつつぶやいた。彼の感知範囲内で、隠れた場所に二十人以上の人々が星極の部屋を監視していることがわかった。彼らはうまく気配を消していたが、星極の前ではそれだけでは不十分だった。
まあ、二人とも心の中で分かっていることをわざわざ言葉にする習慣はない。セレナがそう言うのなら、彼女の言葉に従って行動することにしよう。と、星極はそう考えた。
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