0の侍

鹿嶋 畔木

第1話 Ifの日本

人は変化に逆らえない


  老いには逆らえず時間の流れに逆らえない


人は変化に逆らえない


  死という最大の変化に出会おうとも


            肉体は変化を全く止めない


大地も空も海も変化の中に生きている


  揺れ、割れ、荒れ、狂い、そして変わる


こんな変化が続く世界で生きる者は


    何を考え何をしたいのだろうか


"偉大な功績を歴史に刻みたい"


   変化に溢れたこの世界でそう願うのは

      何も特別なことではない





現在の日本国の人口1.026億人


  2000年代に起きた本州直下大地震により


 数々の火山が噴火


   地盤が崩れ本州全土が1億人以上の命と共に


        海の中に消えた


 アメリカ、ロシア、中国等の国々は


   この機を逃さまいと次々に日本領土へ進出


影響力の高い国を失い大国が戦争を始めた地球で


    国連は機能を失った


 一方日本側は残された三つの大きな島にて


   北海道を首都に制定


     福岡を軍事・政治の中心とした


  アメリカ、ロシア、中国の進軍を知った日本は



  まるでこの状況を予知していたたかのように


     "大日本共和帝国航空機動隊"


         通称:J,S,T


         を発足した



自衛隊隊員を中心としたこの組織は


 新型戦闘機と共に三国と互角に渡り合い


第一次四ヶ国空戦は約半年で終了した。


  国土の大半を失った日本は


       海上都市と海底都市


         双方を建設


生き延びた日本人は12年間で二つづつ都市を建設した


一つ目は海上都市:神威

  この都市では牧畜・植林が盛んであり第一次産業を担っている。


二つ目は海上都市:仙都

  この都市では軍事や工業などの他国への抑止力が中心となるこの国の要だ。


三つ目は海底都市:菊楽

  現在日本で最も安全な都市。大手企業はこの都市に本社やオフィスを構える。


四つ目は海底都市:沢良木

  国内最大の市街地。福祉なども充実しており、暮らしやすい。


そしてこの四つの都市に移動システムを導入することで国民の保全に至った。


これらの都市の整備と共に人口は増加、それにともない新たな対戦へ向け政府は特殊自衛隊


     "大日本共和帝国海上機動隊"


     "大日本共和帝国特殊機動隊"


       の双方を設立した。


これにともない大日本共和帝国参加国空戦対策本部は


      "国立日本空海専門大学"


      通称日専の設立を決定


   現大学生もしくは成人済みの人間全てに


       入学権が与えられた


      その一方で世論は荒れた

   第二次世界大戦の続きや日本の退化など

    新聞は連日罵詈雑言を書き立てた

   そんな中で唯一彼らを称える者達がいた

 その者達は他ならぬ仙都に住むもの達であった。

     軍事基地が隣接する都市では

      都市の間近で戦闘が勃発

  彼らはまさにJSTに命を守られていたのだ

   他の都市でも空戦が起こるようになると

   次第にその風潮は全国で広がっていき

     

     JTSはまさに英雄となった






   この話は空に憧れ海に憧れ英雄に憧れた



      若き少年達の物語である




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