第7話 キャプテン、空も飛ぶ
こうして、僕たちはをパトロールをすることになった。また、3人の被害者が襲われたのは、夜18時以降だというので、夜に行うことにした。
昼は仮眠をとり、夜になって、人気のない場所で一人寂しくキャプテンを待っていた。すると、頭上から声がする。
「大助くん。お待たせ〜!あ、違う違う。こっちだよ。上を見て!」
「えっ!?なに??」
僕はびっくりして、上を向いた。そこには、キャプテンが無駄に白い歯を見せて笑いながら、空に浮いていた。なんと、キャプテンは空も飛べるらしい!
「びっくりした?」
嬉しそうに地上に降りてきたキャプテンは、お前が一番怪しいよ!ってぐらい頭から足まで全身黒ずくめだった。
「はい!…それより、なんでそんなに、忍んでるんですか…?逆に怪しいですよ。」
「いやぁ。僕は空から見回ろうと思ってて、その場合なんか飛んでるって写真撮られて騒がれても困るでしょ?だから、こんな犯人みたいな格好になってるんだ。」
これについては、確かになと思った。服装に気を取られてしまったが、そんなことよりだ!
「ってか、そんなことより!キャプテンって飛べたんですか!?すごい能力!ってか、ってか、2つも能力持ってるんですか?」
初めて会った時に、俊足を見せてくれて、今は飛行。THEヒーローって感じで最高にクールだ。
「あー、言ってなかったっけ。僕、親が二人とも強めの超能力持ってて、両方の力を全て受け継いだんだ。いわば、超能力者のサラブレットって感じ?今日と面接の時に見せた飛行・スピード。他には、怪力・体の硬化・目からビーム・最短で一日かかるけど再生能力もあるよ。」
「すげぇ。スーパーマンじゃん…。」
僕の呟きに、「スーパーヒーロー向きでしょ?」と、キャプテンは嬉しそうにした。
でも、力を使った後の代償が大きいものもあるらしい。例えば、目からビームは、ビームを出した瞬間に、目が、そのレーザービームで焼かれて激痛なので、あまり使いたくないらしい。あとは全体的に使いすぎると力が暴走して、周りに甚大な被害が出てしまうから、そうなった時用に、遠隔でキャプテンを気絶させるほどの電流が流れるチップが首に埋め込まれているらしい。
キャプテンについて、新たな発見をしたところで、僕たちは別れてパトロールを開始した。
僕に至っては、ただ歩いているだけなので意味あるのかと思ったりもしたが、特別手当で時給1万円になっているので、頑張れない理由はない!
意気込んだけれど、特に何もないまま1週間が経った。
この日も、同じように空と陸からパトロールをしていた。
ここらは住宅街なので、事務所のある街中より少し暗く感じて怖い。でも、ちょっと行った先には交番があるので、何となく安心していた、その時。
「がっ、がぁ。ぎゃあああぁあ!!!」
と、拷問中みたいな痛そうな悲鳴が聞こえた。それを聞いて、どこからか現れたキャプテンが交番に向かって飛んでいった。僕も、それを追うように交番を目指して走りだす。
交番の前にたどり着くと、中から警官服を着た男性が、目を抑えながら、後退りをするような感じで這い出てきた。
「大丈夫ですか!?大助くん、救急車呼んで!…中は誰もいないみたいだから、僕は、周辺を確認してくる!」
警官は、目玉をえぐりだされたようで顔面が血だらけだった。
しばらくして、キャプテンが戻ってくるも、何の手がかりもなかったと言う。
そのうち、救急車や警察などが到着して大騒ぎだった。
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