第3話 逃げる日常、遂げた進化
「章くんの横はワタシノモノなの。」
加賀美さんから放たれている異様な黒いオーラ。おそらく魔能の反応。
「章これって…」
「間違いないな。魔能だ。」
黒い魔能を纏いながら加賀美さんがこちらに近づいてくる。
「来るぞ!」
章と萌歌も魔能を使って対抗する手段に出る。
彼女の体が半径30センチ以内に入ったところで、
章が重力で加賀美さんを沈める。
「後は慎重にいけば…」
重力に潰されて勢いが止まった加賀美の魔能に異変が起きた。
先程までよりも魔能の反応が濃く、強くなっていく。
「何だ…⁉コレッ!跳ね返されッ…」
加賀美を潰していた重力が消える。解除もしていないのに
おそらく加賀美の魔能。
顔を上げた加賀美に背筋が凍る。加賀美の目はドス黒さを
まして、完全に黒に覆い尽くされ、コチラを見ているのか、
見えているのかも分からないくらいに黒く染まっていた。
「章くん。知ってるよ?私と同じ【魔能使い】なんでしょ?
章くんがまさかINGAUGEの組織に加入してるなんて思わなかったなー。」
加賀美もコチラ側の人間であり、襲ってきた。つまり言えることは
1つ。敵対組織に加入しているのは間違いない。
それを理解した瞬間、章と萌歌は目で伝えあった。
コイツにココで勝たなければ死ぬ。と
「無視してお二人でいちゃついてるんですか?」
「…⁉」
章と萌歌の顔の間にいつの間にか加賀美の顔があった。
目を離したのはたった2秒。その2秒でも気配は感じる筈。
なのに、反応がしなかったのだ。
「クソッ…!!
章が魔能を放とうとした瞬間、いきなり謎の物体に腕を掴まれる。
その物体は、加賀美の魔能から発現した謎の手だった。
「もー。駄目じゃないですか。章くん。そんなに暴れちゃッ!」
そのまま両腕を封じられ、加賀美の魔能によって
拘束している謎の手の力が強くなっていく。
「ガッ…!」
手がミシミシと今にも潰れそうな音を立てる。
「章…!」
謎の手に近づこうとしたが、目の前にいきなり移動してきた
加賀美に直に首を掴まれる。
「萌歌!」
グググッと萌歌の首を持つ手と、章を掴んだ謎の手の魔能が
どんどん強まっていく
「カッ…ひゅっ…」
「あああああああ!」
「安心してください萌歌さん♪章くんは一生私が可愛がってあげますから。」
体が言うことを効かない。手にも限界が来た。このままでは
二人共何も成せないまま死んでしまう。
そんな二人の上から誰かの魔能反応が出現した。
「悪い!待たせた!」
空間に出現した手と、加賀美の手が切り落とされる。
「誰ですか…貴方。邪魔するなら殺しますよ。」
「悪いな。同僚を助けてもらった礼は返さねーといけねーからな。」
章と萌歌を助けに来たのは、二部局副班長、
「白園さん…。」
「ココは任せろ。二部局副班の力見せてやる。」
「…貴方を殺せば後は楽そうですね。」
加賀美の謎の手が出現する。魔能も先程と変わらないくらい
放出されている。
「…田中さんの90000分の1スケールってところだな。少し遊ぼう。」
白園さんの魔能のオーラから白いクラゲが現れる。
「そっちが質量ならコッチは量で攻めよう。」
二部局副班と謎の黒い魔能使いの戦いが始まる。
「…萌歌は大丈夫そうか。」
「私も章も後で呼ばれるよ…。」
続く。
次回 クラゲと悪魔
「作者より」
新しいキャラクターの白園さんの登場。
そして強すぎヤンデレ加賀美さんの能力。
さて、どうなっていくのでしょうか?
そして次回は序章でちらっと登場したあの二人が
出てきます。それではまた次回。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます