第9話

「攻略対象者たちも、だれも……あなたを助けてくれる人は、ここには来ないわ」


「そ、そんな……」


と絶望的な表情になるアニエスを見ていると、余計に興奮してきましたわ。

ただそのせいか、身体の反応も鈍くなってしまいましたわ。これでは少しつまらないですわね。


「……少しゲームをしましょうか」


「……ゲーム?」


で3日間、わたくしの調教に屈服しなかったら、あなたを開放し、乙女ゲーム通りに断罪されてあげます」


「……何ですって?」


その言葉にアニエスの目に希望の光が灯った気がした。

若干身体も抵抗を見せている。


「あんたの言ったことなんて、信用できるわけないでしょう!?」


「信じる信じないはあなたの勝手ですわ。受けなければヒロインはバッドエンドで終了。リセットは勿論なし。それだけのことです」


「……いいわよ。やってやろうじゃない」


半ば乗せられる形になってアニエスは答える。

扱いやすいところも、またかわいいですわね。


「ふふ……そうこなくては。ちなみにわたくしが勝った場合は、あなたは生涯わたくしのペットね」


「はあ!? そんなの冗談じゃないわよ!? 気持ち悪い!?」


「あらぁ? もしかしてあなた勝つ自信ないの?」


「そ、そんなわけないでしょ! ……いいわよ! ペットでもなんでもなってやるわよ!!」


ふふ……相変わらず扱いやすい方ですわね。

わたくしは予め用意していた契約書を彼女に見せる。

契約書に署名した人同士の血を媒介に行う魔法契約。

この魔法契約で決まったことは破ることはできない。


契約書を交わしたわたくしは、タイマーを起動させる。

72時間というを示すタイマーを。


「それでは……ゲームの開始です」


「絶対負けないんだから……っ」


待望のヒロインの身体……じっくり楽しませていただきますわ。

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