第7話
「何……言って……」
「乙女ゲームのヒロインみたいな純真な子だったらこんな気持ちにはならなかったわね。ただ、あなたが攻略対象を次々に堕としているのを見てたら、段々と湧き上がってきた感情があるの」
あなたをわたくしのものにしたい――
「ば、ばっかじゃないの!? 気持ち悪い……っ!!」
「うふふ……安心なさって。わたくし、人にものを教えるのは得意ですの」
反抗する子を躾けるのなんか特にね。
わたくしがアニエスに触れた途端、彼女は体をビクッとさせて逃れようとする。
でも拘束されているから逃げられない。
そのまま指先で柔肌をツツーっとなでるとそれにまた体がビクビクと反応させている。
「うふふ、かわいいわね……」
「いや、いやあああああああっ!!!!」
アニエスの絶叫が響き渡るけど、この場に人が駆けつけてくることは絶対にありえない。
誰にも知られない、気付かれない場所。
ロレーネ侯爵家が所有している屋敷の一つ。
侯爵家に敵対するものを尋問するときに用いられるこの部屋は、ごく一部の人間にしか場所を知らされていない。
攻略対象者たちが探し出すことは不可能。
「あたしがとあんたが学校に来てないのに気づいたら、アランたちが不審に思うはずよ!!」
「それは絶対にありえませんわ」
だって、アニエス・フォロ男爵令嬢とビクトリア・ロレーネは今も学園に通っているのだから。
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