第5話
私の前世は特になにか特別な出来事とかあったことない普通の女性。
普通に大学出てそこそこの企業に就職して、職場で出会った男性と結婚して子供ができて……
そんなどこにでもあるありふれたもの。
趣味でプレイしてた乙女ゲームの中に、この世界が舞台のものもあった。
ただ攻略キャラよりヒロインのビジュアルの方が私は好きになって、ヒロインのグッズを集めるようになり……
気付けば当時の私の中での最推しキャラになっていた。
……アニエスが乙女ゲーム通りのヒロインでしたら、わたくしはこんなことはしなかっただろう。
乙女ゲーム通りに彼女に虐めや殺害を企てようなんてせずに、普通の友人関係を構築したかった。
攻略者の誰かと結ばれるのも普通に応援した。
わたくしの生家であるロレーネ家が後ろ盾になれば、攻略対象の婚約も円満に解消することが可能だ。
アラン様との婚約なんて喜んで解消しただろう。
乙女ゲームの純真なヒロインを穢すというのは、わたくしにはとてもできなかった。
でも彼女は違う。
攻略対象以外の男性にも言い寄っている。
殿方に平気で豊満な胸を密着させる。
わたくしに対しても敵意を持った視線を向けてくる。
そんな乙女ゲームから外れた彼女だからかしら……
わたくしの中にある感情が芽生えましたの。
『アニエスをビクトリアのものにしたい』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます