第4話
わたくしは他にも気になったことがあるのでアニエスに聞いてみた。
乙女ゲームのヒロインとは違うらしいので、もしかしたらと思ったから。
「もう純潔はアラン様あたりにでも捧げたの?」
「まだよ! 近いうちに誘うつもりだったわ」
嫌な予感がして、行動したのはよかったみたいね。
危うくアニエスの純潔が散らされてしまうところだったわ。
「……そう、よかったわ。……わたくし以外の人間にあなたの純潔が散らされなくて」
散らした人を消す必要が無くなって、余計な労力が減ってよかったわ。ほんと。
「え……あんた何言って……」
「? いや、今からわたくしがあなたの純潔を貰おうとしてるのに、既に散らされてなくてよかったわ……と」
「あんた女でしょ。どうやってあたしの処女もらうっていうのよ」
「そりゃ魔法使ってに決まってるでしょ?」
この世界は乙女ゲームでは語られてなかった魔法の概念があった。
その中には同性同士で子供をつくる魔法もあった。
勿論――女性に男性の象徴を生やす魔法も。
「魔法? そんなの、ゲームには……」
「だめよ。乙女ゲームの攻略に夢中になって、この世界のことを勉強するのを忘れては」
「!?」
どうやらヒロインは、よくあるざまぁ系の転生者のパターンかしらね。
この世界を乙女ゲームだと思い込んで、自分に都合のいいようにヒロイン補正が働くと思ってる。
そんなだから思い至らなかったのね。
――自分以外に転生者がいる可能性に。
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