昆虫標本 第四話

昆虫標本を見せてもらった後、穂高先生の執務室へ案内してもらった。

理科室と繋がった細長い部屋。

そこで怪奇現象が以前から噂がないか聞いてみる。

しかし、赴任して3年になるが、穂高先生は見た事も聞いた事もないとの事。

出してもらったコーヒーに口をつけ、穂高先生の話を聞いているとだんだんと眠くなってきた。

今夜の取材の為に昼間しっかり寝たはずなのに。

眠りに堕ちる俺を見て微笑んでいる穂高先生の姿があった。





どれくらいの時間が経ったのだろう。

背中の冷たさで目が覚めた。

目が覚めたといってもまだ眠い、それに体は全く動かせない。


薄らと目を開ける。

心臓が飛び出るのではないかと思うほど、脈を打つ。

目の前には追いかけていた巨大クロオオアリ。

触覚がゆっくりと動き、大アゴが俺の顔に迫ってくる。

“食べられる!“

大アゴは俺の頭など一発で噛み砕きそうだ。

冷や汗がゆっくりと頬を伝っていくのが分かる。

いや、恐怖から涙が流れたのか。

今はそんな事はどうでもいい。

“これまでか!“


クロオオアリは俺の顔を確認した後、ゆっくりと俺の足の方へ大アゴを移動させた。

“まずは動けなくする為に足を喰らうのか?“


そう思っている俺に妙な感触が。

足ではなく股間、それも俺のペニスに何かしている。

妙なものが付いているので噛みちぎられるのかと、そしていつ噛まれるのかと体を強ばらせて備える。

しかし、何もされない。

少し頭を持ち上てげて下半身を見ると、大アゴがゆっくりと大きく開くのが見えた。

“もうダメだ!“


そう思ったが痛みはない。

むしろ、気持ちいいような感触が。

なんだろう、フェラチオされているような感覚が体を襲う。

もう一度頭を持ち上げて見てみると、クロオオアリは頭を上下させている。

本当にフェラチオされている。

“クロオオアリはやはり着ぐるみだったのか?“

そんな俺の想像を阻害するほど、気持ちよくなりなぜか興奮が増してくる。

“媚薬でも塗布されたのか?“


俺のペニスは硬く大きくなり、クロオオアリのフェラチオもどんどん速くなっていく。

「ダメだ、もう我慢出来ない!」

俺は声を上げると共に、白い液をクロオオアリの頭にぶちまけた。


クロオオアリは細かな毛のついた節のある前肢で頭についた白い液を脱ぐってしまうと、まだ勃起している俺のペニスにかぶりつくとフェラチオを始めた。

アリのくせに絶妙のテクニックを持ったクロオオアリに何度も責められて、俺はとうとう意識を失った。

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