昆虫標本 第五話

暑さと窮屈さで目が覚める。

視界もあまりよくない。

次に気づいたのは透明のケースのようなものに入れられたようで、仰向けのまま全く動く事が出来ない。

寝返りも打てないほど、しっかりとケースに収まっている。

そして、手足の自由がほぼ効かない、つまり手足は何らかの制約の範囲しか動かせないのだ。


目の前にはアゲハの幼虫がいる。

複数ある短い脚が多数、俺の方を向いている。

アゲハの幼虫とすぐに分かったのは、標本からなくなっていたのを覚えていたから。


あんな気持ち悪いおおきなものが降ってきたら堪らない。

必死でこの場から逃げようと手足を動かすが俺を取り囲むケースは固くてびくともしない。


しばらく、脱出を試みてある事に気づく、俺が手足を動かすとアゲハの幼虫も短い脚を動かす。

まさかと思い、手足を動かす止めるを繰り返すが、全く同じ動き。

信じ難い事だが、目の前に見えているアゲハの幼虫が今の俺の姿。

俺は今、アゲハの幼虫の着ぐるみの中にいる。

何故こうなったのか考えるが、頭がボーっとして考えがまとまらない。


そんなアゲハの幼虫の着ぐるみをじっくりと見ていてある事に気がついた。

俺のペニスが剥き出しになっている。

しかも媚薬の影響でギンギンに勃起したまま。


俺の目の前の鏡がゆっくりとスライドしていく。

出してくれるのだろうか?

だが、そんな期待はすぐに打ち砕かれた。

鏡が完全に取り除かれてまた驚くことに。

そこにはアゲハの幼虫。

今度は鏡に映った俺の姿ではない。

その証拠にそのアゲハの幼虫は前後真ん中の3ヶ所にロープが掛けられ、吊り下げられている。


『カラカラ、カラ、カラカラ、カラ』

透明のケース越しには鎖を引くクロオオアリの姿。

チェンブロックの軽快な音ともにアゲハの幼虫が少しずつ俺に近づいてくる。


俺は降りてくるアゲハの幼虫の股の辺りに目がいく。

ペニスはついていない、代わりに女性器らしきものが見える、それにえらく透明の液体が漏れ出ている。


クロオオアリはなおもチェンブロックの鎖を引き続ける。

アゲハの幼虫の着ぐるみを着せられた誰か の女性器が俺のペニスへとゆっくりと挿さっていく。

誰かも分からないので、俺はなんとか回避しようと動ける範囲で動いたのが悪かった。

俺のペニスは愛液にまみれた女性器に『ズブッズブッ』と卑猥な音を立ててより奥へと入っていく。

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