人体模型 第三話
絡み始めてすぐだった。
廊下の遠くから足音がこちらに近づいてくる。
俺は慌てて人体模型からブツを抜くと慌ててズボンを探し足を通すが、焦ってうまく入らない。
バタバタしている間にも足音はドンドン近づいてくる。
ようやく、ズボンを履けた時、準備室の扉が開いた。
扉を開けて入ってきたのは、堂上先生。
「え、堂上先生?」
俺は目の前の堂上先生の姿を見て驚いた。
堂上先生も俺の存在に驚いたようで、ビックリして声をかけてきた。
「どうしたの?こんな時間に?」
俺は仕上げたレポートを渡す。
「今日出さないと留年しそうなので、持ってきました」
堂上先生はパラパラとレポートを見ると、「単位は大丈夫そうね、でも、今日はもう遅いから早く帰りなさい」と一言。
俺はお辞儀をし、思い出した人体模型の事を。
振り返るとそこには人体模型も俺が脱がせた皮膚も血管もなくなっていた。
俺は人体模型が横たわっていた方へ歩く、当然のように堂上先生から「出口はこっちよ」と指摘を受けて扉の方へ向き直した。
「失礼します」
俺は扉を閉めて準備室を出た。
人体模型の中身は堂上先生だとばかり、思い込み名前まで呼んでしまった。
振り返った時に人体模型が消えていたので、本当に七不思議の人体模型かと一瞬背中がゾクッとするとともに、そんな相手と交わりを持ってしまったのかと少し怖くなった。
だが、俺の不安はすぐに取り除かれた。
人体模型が横たわっていた近くに、あのイチモツが落ちていたから。
あれは間違いなく中身は人、そして女性。
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