幕間 美桜② 照れてない(……わけないじゃん!)

 美桜は自宅のベッドで身悶えていた。


(あーん♪ は、やりすぎだったかな!? やりすぎだったよね!?)


 悠陽のお世話で照れてないわけがなかった。


(か、間接キスもしちゃったし……! 違うのあれは、本当に、そんなつもりはなくて……)


 モゴモゴと言い訳をしながら、お気に入りのクマのクッションを抱きつぶす。

 ぐぇ、と苦しむ声が聞こえそうだった。


(ゆう兄ちゃんに引かれてないかなぁ……)


 世話を終えて帰宅してすぐ、顔を赤くしていた。


(ま、兄ちゃんの役に立てるのは嬉しいんだけどさ)


 美桜は動きづらそうにしていた悠陽を思い出す。

 たった一回の買い物をしただけで筋肉痛になってしまうくらい、今の彼は弱り切っているのだ。

 幼いころはカッコよくて追いかけた背中が小さくてか弱く見えて。


「今度は私がゆう兄ちゃんを支えるんだから」


 ギュッと、クマのクッションを握る力が強まる。

 子どものころ面倒を見てもらったように、大人になった自分も悠陽にそうしてあげたい。

 美桜の想いは純粋だった。

 だからこその「本気でお世話宣言」だった。


『本気のお世話するからね、ゆう兄ちゃんっ! ぜったい旅行、行こうねっ!』


(旅行、京都だっけ……へへ)


 美桜の口元はゆるゆるに緩む。

 二十歳にもなって子供みたいになってしまうのも無理はない。

 だってこれは美桜が失った子供時代を、青春時代を取り戻すためのリベンジなのだから。


(よーし、ゆう兄ちゃんのお世話がんばるぞ!)


 美桜はクマのぬいぐるみをむぎゅーっと抱きしめる。


(ってことで……もうちょっとくらいグイグイ行ってもイイかな? イイよね??)






_____

 イイんですかね!?

 次回からは新章「いちゃいちゃお世話編」の開幕です♪

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 幼馴染が押せ押せなラブコメ、今後もぜひお楽しみください( ˘ω˘ )

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