第4話いよいよ冒険者生活だ!!
まずい……非常にまずい。
もしこれで俺が何の役にも立たない無職だと知られたらどうなる? きっと、「この役立たずが!」とギルドを追い出されてしまうだろう。
かといって、適当な事を書いても、ギルド職員にはバレてしまう恐れがあるし……。
……仕方がない。
俺は用紙の一番下に『一応使える属性魔法:雷』とだけ書いて提出した。
受付のお姉さんは不思議そうな顔をしながら用紙を受け取ってくれた。
その後、俺たちはギルド内の訓練場へと案内された。
そこには様々な武器が壁に立て掛けられており、大きな鏡もあった。
「まずは皆さんの魔法適性を調べましょう。訓練場の両端にあるあの鏡に向かってそれぞれ得意な魔法を撃ってください」
お姉さんが指差す方を見ると、等身大の鏡が立て掛けてあった。
俺は不安な気持ちを押し殺しながら雷属性の初級魔法を鏡に向かって撃った。
すると、俺が放った雷撃は真っすぐに鏡へと向かい、粉々に粉砕した。
「おぉー!すごい威力ですね!では次はそこの男性の方、お願いします」
訓練場にいた全員が俺の方へと視線を向けた。
俺はゴクリと生唾を飲みながら、右手に持っていた杖を鏡へと向けた。
「雷光一閃!」
俺がそう叫ぶと、杖の先に激しい光が生まれ、一筋の雷となって鏡に向かって飛んでいった。
そして、一瞬の静寂の後、俺の放った電撃は鏡を粉々に破壊した。
「素晴らしい!まさかの2属性持ちですか!?でも、雷撃の方はあまり威力が高くないですね」
俺はお姉さんの言葉にホッとした。
良かった……これで一安心だ。
しかし、次の言葉で俺のそんな小さな希望は打ち砕かれた。
「では、最後に女性の方お願いします」
俺以外の4人が順番に魔法を撃つ中、ついに俺の番がやってきた。
「炎舞!」
杖から飛び出した
そして訓練に合格した俺は冒険者になった。
冒険者の中にもランクがあるS>A>H>U>G>F>C>となっている
まずはFランクのクエストから受けてもらいます」
「わかりました」
ちなみに俺はFランクだ。
「あっ、もしよろしければ私があなたに合ったクエストを紹介しましょうか?」
「いいんですか?」
「ええ、こちらとしても優秀な冒険者が増えてくれると助かりますし」
お姉さんは微笑みながら言う。
これはラッキーだな。
せっかくだから紹介してもらおう。
「ではお願いしていいですか?」
「はい!それじゃあ……これなんてどうですか?最近洞窟で発見された宝物を盗む魔物の討伐です。あなたの能力ならいけると思うのですが……」
「じゃあそれでお願いします」
「わかりました!では受付に行きましょう」
俺はお姉さんに案内されて受付で手続きを済まし、クエストを受けた。
「では頑張ってきてくださいね」
「はい!」
こうして俺は初めての仕事へと向かった。
◇ 洞窟の入り口に到着した。
「ここがその洞窟か……」
いかにも何か出そうな雰囲気だ。
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