第11話 発表会が近づく
去年の秋にベリーダンスを始めてから、1年ちょっとが過ぎた。
教室仲間である姉さんたちの言葉も半分くらいしか分かってないかな?レベルからほぼ理解できるようになり、今年の始めには語学教師に「中級」だと言われた。どうやら園児レベルを脱したようだ。
ベリーの方はというと、6月から先生がこちらも中級クラスに誘ってくれた。
姉さんたちとのレッスンは10数名いて、平均年齢は60歳くらい。
かたや中級クラスは、その中で最年少のリサと私、アラフィフのジーナ姉さんが参加している。プラス、70代のアンナ姉さんの計4名。
最年少のリサは私の2つ下なので、若いと言ってもアラフォー。伝統舞踊をやっていたから、ターンもお手の物だし覚えが早いエースだ。
ジーナ姉さんは飲み屋街で食堂を経営していて、酔客相手に朝方まで食事を提供して寝ずにレッスンにやってくる。
アンナ姉さんは、先生が教室を始めた頃からの付き合いなので、レベルを問われず常に参加資格のある特別枠だ。姉さんと呼ぶが、私の母と同い年である。
さて、年に一度の発表会は仲間内だけの集いだ。
去年は始めて3か月足らずで発表会に参戦した私を、先生は歓迎してくれた。教室の「若返り」に寄与したからであろう。
今年は先生の気合が違う気がする。なんせ、これまでお遊び程度の振付けしかできなかったのが、中級クラスができたため少しは踊りらしくなった。
「モアナ(私のあだ名)とリサで一曲やれば?ソロでもいいし」
優しい大御所・アンナ姉さんが言う。
私より後に習い始めたリサは最年少なのもあり、上手なのに遠慮がちだ。「来年やりますよ」と私たちは口をそろえた。
昨日、先生がため息交じりに「中級クラスでもない、メグ姉さんがソロやるって聞かないのよ」。先生の説得に応じずなぜか半ギレでソロを決行するメグ姉さんの舞台が密かに楽しみでもある。どの国でもクセ強キャラっているものだよね。
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